2月に発売された『揉まれて、ゆるんで、癒されて』(朝日文庫)は、コラムニストのジェーン・スーさんが自ら足を運んだ数々のマッサージ、リラクゼーション店での体験をまとめた一冊。マッサージやリラクゼーションを通し、女性の仕事への向き合い方から「癒し」の幅広い効果効能まで、様々な考察がなされています。
【画像】ジェーン・スーさん「20代後半~30代でもやもやしている方には「好きにやれ」としか言いようがない」
今回は私たち悩めるミレニアル世代のかちかちになった心を、ジェーン・スーさんが言葉でほぐしてくださいました。
――『揉まれて、ゆるんで、癒されて』、とても共感ばかりの一冊でした。私も疲れるとついついリラクゼーション系のお店に吸い込まれ、数千円のお金が飛んでいく日々。筋トレや糖質制限などでしっかりと自分を律している友人たちを見て罪悪感を抱いてしまうこともあるのですが……。
ジェーン・スー(以下、スー): もちろん筋トレなども体を整える意味においては大切な習慣だと思いますが、お金を払うことで他者にそのままの自分を受け入れてもらう、労ってもらうことの効能は、物理的な「疲れ」や「コリ」の解消とはまた別のところにあるように感じます。
「自分はなにもせず人がなんでもやってくれる」という、大人になるとなかなか経験できない時間を自分が稼いだお金で買うことについては、私はありだと思います。
――書籍の中にも「女にはお金で解決できる悩みもあるよ」というネイリストさんの言葉が登場します。
スー: くさくさしていた私を和ませようと、おもしろおかしく言ってくださったのだとは思うんですけどね。でも、その時ふっと、気持ちが軽くなりました。
人類が発明した素晴らしい言葉に「自分にご褒美」というのがありまして(笑)。その言葉に甘えてみてもいいのではないでしょうか。
とはいえ私自身もちゃんと「自分にご褒美」ができるようになったのは、自尊感情が高まってからです。
――自尊感情、ですか。
スー: 自尊感情が低いと、「私がこんなことをするのは分不相応だ」と、お金を使ったことに対する罪悪感を抱いてしまうことがある。
本の中でも書いていますが、私もウン十万円のマッサージ機を悩んだ末に購入したんです。ブランドバッグ並みの値段。こんなものを私が買ってもよいのだろうかと、当初は迷いました。でも結果としてこの機械、その後今に至るまでに十分元がとれたぐらい活用しています。
適度な自尊感情を持つことができていれば「今日は頑張った。私はこれぐらいしても大丈夫」と思えるような贅沢の仕方ができるようになります。
もちろんそれが依存症にならない程度に、が前提ですが。
――自分のためにお金を使うことに勇気がいる人もいます。「老後のことを考えて貯金しなきゃ!」と気を張り、リラクゼーションのように形として残らないものへの出費を無駄だと感じてしまう方についてはどう思われますか?
スー: 「将来への漠然とした不安」をお金を貯めていくことで解決できる人 はそれでいいと思います。貯金が趣味で、自分にお金を使わないことが自分の気分を良くさせる人もいらっしゃるでしょう。
ただ、節制することでどんどん気持ちがふさぎこんでいくとか、「周りの人はみんな楽しそうにしているのに自分は楽しくない」と思ってしまうようであれば、その貯金の3回に1回は自分を癒すほうにお金をまわしてみてもいいんじゃないかと思います。
――私は今30代前半なのですが、 20代半ばごろまでは「癒し」や「発散」といえば、友人と飲みに行ってとにかく騒ぐ!が通例だったのが、だんだん翌日に疲れも残るようになり、以前のようにはいかなくなってきました。
スー: 20代の頃より体力もなくなり内臓も弱くなっていっていきますからね。暴飲暴食って、簡単に言うと自傷行為なんですよね。そういうものが「ためらい傷」では済まなくなり、次の日の予定にダイレクトに響くようになっていく。自分の体力や精神力に合ったストレス発散術をもつのがいいと思います。
最終更新:4/6(月) 18:26
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