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新型コロナウイルスが半導体業界にもたらす「陰と陽」

4/6(月) 20:20配信

LIMO

本記事の3つのポイント

 ・ 半導体業界では新型コロナの影響を受けて、主要デバイスメーカーが相次いで売上見通しの下方修正を行っている
 ・ 一方、在宅勤務/リモートワークの導入が加速しており、クラウド/ストレージなどのインフラ分野の半導体需要は今後長期的にも増える可能性
 ・ 旺盛なインフラ需要を前に、課題は供給面。特に製造装置メーカーが米系企業を中心に生産・出荷の遅れが目立つ状況

「欧米半導体メーカーの2020年1-3月期売上高見通し」を見る

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界各地で拡大するなか、当然のことながら半導体業界も大きな影響を受けている。足元ではスマートフォンや自動車などの最終製品の生産が停滞、あるいは需要が低迷したことで、欧米半導体メーカーを中心に売上見通しの下方修正が相次いでいる。一方で、データセンターなどのインフラ需要は今回の「コロナショック」を契機に拡大すると見られており、マイナス要素とプラス要素が入り乱れるかたちとなっている。

EMS分野から広がった影響

 中国を震源地として広がった新型コロナはまず、労働集約的な要素が大きいEMS業界を直撃した。春節明け以降、製造人員の復職率が低い状態が続き、3月末時点でも全体の操業度は7~8割程度にとどまっている。これに物流インフラの停滞、部品調達の遅延が加わったことで、2~3月のスマホの生産レベルは例年に比べて低い水準で推移した。中国に拠点を構える台湾EMS大手の20年1~2月の売上高は、HonHaiが前年同月比14%減、Pegatronが同13%減と軒並み2桁台のマイナスとなった。

 自動車も中国国内にサプライチェーンが広がっていることから、スマホ同様に完成車の生産が停滞している。ただ、自動車の場合は新型コロナの影響によって購買意欲が落ち込んでいることの方が強く、昨今の完成車メーカーの工場休止は供給面でボトルネックがあるというよりも、消費の冷え込みによる生産縮小の方が要素としては大きい。

 欧米を中心とする海外半導体メーカーは、新型コロナの感染拡大を受けて、20年1~3月期の業績見通しの修正を相次いで行っている。ただ、現時点で把握できる範囲での影響額を盛り込んだに過ぎず、4~6月期以降の業績予想はさらなる下ぶれリスクがつきまとう。

 通期業績予想を開示する日系各社と異なり、欧米企業の多くは次四半期の業績ガイダンスを開示する手法を取っているケースが多く、すでに発表していた四半期見通しを3月に入って修正するかたちとなっている。アナログデバイセズとエヌビディアは2月中旬に行った2~4月期の業績ガイダンスで、すでに新型コロナに対する影響額を盛り込んだ数値となっている。

 おおむね減額率は3~6%の範囲にとどまっており、実際の影響金額でも5000万~1億ドルとなっている。下方修正を行った企業のうち、コルボやスカイワークス、アナログデバイセズは通信系デバイスを主力分野の1つとしており、スマホや通信インフラのサプライチェーンから影響を受けた。一方、NXPやオン・セミコンダクターは主に自動車や産業機器向けを中心とする影響が多いとみられる。また、ブロードコムなどはもともと開示していた20年度通期の業績予想を撤回するなどしている。

 日系半導体メーカーは今のところ業績ガイダンスの引き下げなどは行っていないものの、これら海外メーカーと競合するルネサス エレクトロニクスやロームなども業績に対して同程度の影響が予想されるところだ。

 ただ、足元ではスマホなどを中心に、顧客側で在庫を積み増す動きもあり、供給各社もマクロ環境と異なる動きに戸惑いを見せている。中国ファーウェイなどは19年末時点で数カ月分保有していた在庫をさらに積み増す動きにも出ている。狙いは定かではないが、米中貿易摩擦のさらなる激化を考慮して、さらなる在庫保有に走ったとの見方もあるほか、「状況が不透明なので、ひとまずは発注レベルを下げていないだけ」(業界関係者)との指摘もある。

 そのため、1~3月期および4~6月期の各社業績は在庫保有政策の影響から、見かけ上の数字はそれほど悪化しないことも想定される。ただ、年半ば~後半にかけて、需要の回復ペースによっては実需と在庫のギャップが大きくなる可能性を孕んでおり、年後半以降の方が下ぶれリスクが高い状況といえそうだ。

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最終更新:4/6(月) 20:20
LIMO

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