ここから本文です

政府への信頼で新型コロナに立ち向かう~団結するシンガポール

4/7(火) 12:12配信

Medical Note

シンガポールは世界屈指の国際都市。往来する外国人、渡航する国民が多いなかで、どのように新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の侵入に対処しているのでしょうか。海外居住経験を持つ医療・保健などのエキスパートが、国境をまたいで活躍する人々を支援する「JAMSNET」会員のドクターによる現地リポート第3回は、シンガポールの在留日本人向けクリニック「ラッフルズ・ジャパニーズ・クリニック」の医師、林啓一先生に現地で行われているコロナ対策などについて報告していただきます。【メディカルノートNews & Journal】

◇自国民のためにメディカルツーリズム受け入れも停止

シンガポールのCOVID-19感染者は4月6日正午現在で累計1375人(うち6人死亡)となり、国内での感染者が増加、瀬戸際の状況になりつつあります。

シンガポールはアジアにおけるビジネスのハブ(活動の中心)として発展し、必然的に多く人が外国を行き来します。そのため、当初は欧米からの帰国者が感染者の過半数を占めていました。いわゆる「水際対策」としてシンガポール政府は1月末に中国に渡航歴のある人の入国規制を開始。3月4日にはイラン、イタリア北部、韓国全土にも対象を広げ、16日からは日本やASEAN諸国、スイスにも拡大するなど、段階的に規制を強化してきました。現在、すべての旅行者は入国後14日間の待機措置が適用されています。

シンガポールはメディカルツーリズムの受け入れにも熱心で、ラッフルズ・メディカルグループでは入院の4割は海外からの患者が占めています。しかし、医療資源を国民に提供するために、診断や加療のための入国もできなくなっています。そうした対策にもかかわらず、他国同様に国内感染が増加しているのが現状です。

◇今のところ医療には余裕

今回のような有事に備えて、「PHPC(Public Health Preparedness Clinic)」という仕組みがあります。通常のクリニックが政府の指示に従い、統一した予防や治療のためのプライマリクリニックに変わります。今回は2月にPHPCが発動され、せきなどの呼吸器症状や発熱がある人はまず900あるPHPCで診察を受けることが多くなります。Medical Certificateが出されると、5日間は受診以外の外出もできなくなります。政府の補助があるため、国民と永住者は10シンガポールドル(約750円)、高齢者は5ドルで受診することができます。

さらに、3~5日の待機中にCOVID-19に感染の恐れがあると判断された場合には患者を専用の救急車で搬送し、専用の機関でPCR検査をします。クリニックで検体を採取するようなことがないため、クリニック内部や機器が汚染されることはありません。軽症者や回復期の患者は、リゾート施設を転用した隔離施設で観察するという体制もできています。マスクや消毒薬、防護資材なども確保できており、今のところ医療には余裕がある状態です。

1/3ページ

最終更新:4/7(火) 12:12
Medical Note

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事