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五輪バスケは面白い「驚きの場面が連続で起きる」日本初メダル狙うコーチに聞く1

4/7(火) 12:27配信

西日本スポーツ

 東京五輪に開催国枠で出場するバスケットボールの女子日本代表は、男女通じて日本のバスケ界初の「五輪メダル」に手が届く位置にいる。世界ランキング1位の米国を除けば実力は伯仲。出場を義務づけられていた2月の五輪予選(ベルギー)では、敗れたとはいえ、ランク上位のカナダやベルギーと接戦を演じた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月中の代表活動は中止となったが、1年延期となった来夏の本番で世界を驚かせる可能性を秘めている。代表でアシスタントコーチを務める恩塚亨氏(40)=東京医療保健大監督=に女子バスケの現在地を語ってもらった。(聞き手・構成=西口憲一)

【写真】バスケ女子日本代表のアシスタントコーチとして男女初の五輪メダル獲得へ尽力する恩塚亨氏

 -昨秋のアジア・カップで4連覇するなど、女子は順調に強化が図られてきた。現時点で強化試合を含めて試合の予定もなく、Wリーグが打ち切られたことも含めて選手個々の実戦不足が懸念される。

 バスケットボールに限らず、命には代えられない。しっかりと受け止め、感染の予防に務めること。この時間を貴重な準備期間と捉え、映像などで分析を進めたい。

 -五輪予選のスコアはベルギー戦が84-92、カナダ戦は68-70。いずれも僅差だった

 ベルギーやカナダ(※1)は自分たちの「強み」と私たちの「弱み」をマッチさせてきた。日本の弱みを事前に分析して臨んできた。その「弱み」を補おうとすると、二の手、三の手を繰り出してくる。周到に準備をしていた。アジア・カップでオーストラリアや中国が自分たちの「強み」をぶつけてきたのとは違う。相手の「強み」に対して、プランAだけでなく、プランBやCまで準備して戦いに臨む必要があると痛感した。

 ※1…予選の時点でカナダは世界ランキング4位、ベルギーは同9位。同1位の米国は2018年ワールドカップ優勝国で、同10位の日本は開催国枠で五輪に出場する。

 -ベルギーには日本で開催された19年の国際強化試合で2戦2勝した。

 参考にならない。昨年はエース(※2)がいなかった。今回は彼女に大事なところでやられた。

 ※2…19年の米女子プロバスケットボールWNBAファイナルでMVPを獲得したエマ・メッセマン。

 -日本が取り組んできた、ペアで行うオフェンス戦術(ピックアンドロール、以下ピック)の完成度が一つの鍵となる

 前回16年のリオデジャネイロ五輪でも好機を演出したのは吉田亜沙美(JX-ENEOS)と渡嘉敷来夢(同)のピックを軸にプレーできたときだった。ピックは進化し、派生していくもの。ピックを輝かせられる切り口はたくさんある。

 -日本選手のストロングポイントは

 シュート力はある。正直「高さ」は二回りぐらい違う。体の厚みや幅もそう。ベルギーには何本もブロックされた。でも、渡嘉敷は素晴らしい。ベルギー戦でも1本、(ゴール付近の)ローポストで(体を張って)アタックしていた。

 -五輪予選で顕在化したもの、世界基準との差は。

 攻守の切り替え、得点力アップ、3点シュートの上積みはもちろん、重要なのは再現性。偶然ではない、というプレーをどれだけ理解して、準備できるか。適応能力、試合で何が起こるかを知っておくこと。さまざまな局面を想定した準備がいる。奇跡でも起きない限り、ゼロからは見つけられない。現場で勇気を持って決断するのは難しい。強い決断ができる「判断基準」を持とうと思ったら、準備…つまり前もって理解していないと見えるものも見えない。

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最終更新:4/7(火) 12:27
西日本スポーツ

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