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ライブやイベントの中止、ドーム公演なら「1億円以上の損失」―弁護士が政府に訴える、本当に必要な補償

4/7(火) 17:32配信

J-WAVE NEWS

世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、日本国内では政府の自粛要請に従って続々と文化芸術分野のイベントが中止に追い込まれている。さまざまなアーティストや劇団が公演を中止しているだけでなく、劇場やコンサートホールも閉鎖しているなか、窮地に立つ文化芸術分野への政府による救済案はいまだに発表されていない。現状の問題点や今後の課題とはいったい何なのだろうか。

3月30日(月)にオンエアされたJ-WAVE『JAM THE WORLD』のワンコーナー「UP CLOSE」では、エンターテインメント関連の補償に詳しい弁護士の福井健策さんをゲストに招いた。話を訊いたのは、月曜日のニューススーパーバイザーであるジャーナリストの津田大介。

文化芸術の現場から聞かれる「我々は政治に捨てられた」の声

2020年3月28日(土)に開いた記者会見にて、安倍首相は記者からの質問に答える形で「(イベント業界などの損失を)税金で補償するのは難しい」という発言をした。文化芸術の重要性を言及しながらもいまだに具体的な支援策を打ち出さない政府に対して、福井さんは「ほぼゼロ回答と言える会見でした」と、指摘する。

福井:全国公立文化施設協会による研究調査では、3月頭の時点ですでに劇場やコンサートホールにおけるイベント中止率は90パーセント以上でした。このときですら、飲食店など他の分野に比べても群を抜いて高いわけですよ。
津田:なるほど。
福井:中止した場合、チケット代は購入者に返金するので、高額な経費を主催者や関係者が全額負担しなければいけなくなる。つまり、現場は開催すれば観客は集まってくれることは承知していたけれども、自粛要請に応じて劇場やホールを閉め、その高額な損失を自ら負ったわけです。そしてクリエイターや表現者は、生まれ出る前の作品を自ら封印して壊した。その気持ちに対して長らく感謝の言葉一つさえなく、自粛せざるを得ない状況を作っておいて「自粛だから(どうなろうと)自己責任だ」と突き放す。現場の知人からは「我々は政治に捨てられた」というメールがきましたが、まさに悲痛な思いですよね。

政府が新型コロナウイルス対策として各事業者に「イベント等の自粛“要請”」を行っていることも一つの問題だ。法的な強制力のある命令で中止すれば政府が損失を補償することになるため、あくまで「自粛」というお願いの形にとどまらせているからだ。そのため、「自粛と補償はセットにすべきだ」という批判が高まっている。

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最終更新:4/7(火) 17:32
J-WAVE NEWS

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