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緊急事態宣言が出ると休業手当が支払われない?厚労大臣、支払い義務の一律除外を否定

4/7(火) 21:30配信

THE PAGE

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京や大阪など7つの都府県を対象に緊急事態宣言が出されました。これによって各自治体は事業者に対して特定施設の使用制限を指示できるようになりますが、宣言が出されたことで従来まで支払われていた社員に対する休業手当が支払われない可能性があるとの見解を厚生労働省が示したことが波紋を呼んでいます。

 労働基準法では、企業の都合で社員を休業させた場合には、平均賃金の6割以上を休業手当として支払うことが義務付けられています。ウイルスによる感染が拡大したことで事業者が店を閉めるといった決断を行い、従業員に休業を命じた場合には、従業員は働いていなくても手当を受け取れるという仕組みです。

 ところが緊急事態宣言が出た場合、改正新型インフルエンザ対策特別措置法という法律に基づく要請ということになり、事業者都合という解釈が成立しなくなるという見解を厚生労働省が示しました(坂口労働基準局長)。そうなると従業員には休業手当が支払われませんから、一気に生活困窮者が増加する可能性も考えられます。

 加藤厚生労働大臣は4月7日の記者会見で、企業側の支払い義務について「一律に、直ちになくなるものではない」と述べ、総合的な判断が必要だとして、明言を避けています。

 もっとも、どこまでを会社都合にするのかというのは関係者の間でも意見が分かれており、社会的にも統一した見解が得られているわけではありません。ただ、現時点においても、休業手当を支払っていない企業が多いという現実を考えると、政府が明確な方針を示さない限り、支払わない企業が増える可能性は高いと考えられます。

 緊急事態宣言はウイルスの感染拡大を防ぐことが目的ですが、それによって経済的に困窮する人が増えてしまっては本末転倒です。これまでも政府や自治体が特定の業界に対して名指しで自粛要請を行ってきたことについて、所得補償とセットにしなければ、十分な効果が得られないとの指摘が出ていました。政府や一般消費者から見れば不要不急であっても、それを仕事にしている人にとっては営業できないことは死活問題となります。

 緊急事態宣言がすでに出された以上、休業手当の支払い条件についての政府解釈を明確にするか、仕事ができなくなった人に対する休業補償を一刻も早く実施する必要があるでしょう。

 この問題に加えて、ネットカフェなどが閉鎖された場合、寝泊まりする場所を失う人が増えるとの指摘も出ています。健康状態が悪化した人が増えると、さらに医療体制を圧迫しますから、単に自己責任といった個人の問題で処理することはできません。政府や自治体の迅速な対応が求められます。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:4/7(火) 21:30
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