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「世界最大級」と豪語する緊急経済対策 時期や金額が不明瞭との声も

4/7(火) 22:00配信

THE PAGE

 コロナウイルスの感染拡大を受けて政府は緊急経済対策を取りまとめましたが、金額があまりにも不明瞭であるとの声が上がっています。今は緊急事態ですから、数字をもてあそんでいる状況はありません。政府は可能な限り分かりやすい説明を行うべきでしょう。

「緊急支援フェーズ」と「V字回復フェーズ」に分類

 政府は4月7日、総額108兆円の緊急経済対策について閣議決定を行いました。安倍首相はこの対策について「GDPの2割に及ぶ、世界的に見ても最大級の経済対策となった」と胸を張りましたが、その金額については不透明で分かりにくいとの声が出ています。

 この経済対策は、「緊急支援フェーズ」と「V字回復フェーズ」に分かれており、V字回復フェーズというのは感染が終息後に実施する対策との位置付けのようです。つまり「今すぐに実施する対策」と「感染が終息してから実施する対策」の二つがあるという話ですが、「V字回復フェーズ」などというキーワードを見たところで、内容を精査しない限り、いつ実施されるものなのかまったく分かりません。ちなみにV字回復フェーズの支援には、観光、イベント、エンタメ業界などを対象とした消費喚起キャンペーンの実施や、国内旅行費用の補助などが含まれている模様です。

 そうなると、今すぐに実施される施策というのは緊急支援フェーズということになりますが、ここには減収世帯を対象とした30万円の給付、中小企業や個人事業主に対する給付金、感染拡大防止策などが含まれています。減収世帯に対する給付は、書類を揃えて条件を満たさなければ支払いは行われませんから、どれだけの支出があるのか現時点では不明です。中小企業や個人事業主への給付金も同じと考えてよいでしょう。

 実際、政府がすでに策定した事業者に対する緊急融資プログラムは、申請したものの、本当にコロナの影響だけで売上が減少したのか証明するよう求められ、事実上、門前払いされてしまうケースがSNS上で報告されています。今回の給付がいくらになるのか政府は説明していませんし、実際にやってみないと分からないという状況と見てよいでしょう。

 さらにいうと、一連の施策の中には、企業に対する納税の1年猶予措置などが含まれています。これはあくまで時期を猶予するだけであって、その後、税金は徴収されますから、政府が金銭的な支払いをしているわけではありません。また2019年12月に閣議決定された26兆円分の経済対策のうち、まだ執行されていない分の金額も今回の108兆円に含まれています。結局のところ、世界最大級と説明していますが、実際に政府が支出する金額はかなり小さくなるというのが現実のようです。

 わざわざ過去の数字を加算するなど、安倍首相の説明には金額を大きく見せようという意図があることは明白です。今は緊急事態であり、企業経営者や市場関係者などは、どのくらいの経済対策が実施されるのかで、今後の事業計画や投資計画について決断しなければなりません。詳しく見ないと金額が分からないという説明方法は経済にとってマイナスでしかありません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:4/7(火) 22:00
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