ここから本文です

コロナ禍で絶体絶命…テレビ業界最前線リポート! 収録全滅&CM収入絶たれ…しわ寄せは制作会社に

4/8(水) 16:56配信

夕刊フジ

 NHKが大河と朝ドラの収録見合わせを発表し、TBSやテレビ東京が相次いで番組収録の大規模な中止を決めるなど新型コロナウイルスがテレビに大打撃を与えている。窮地に追い込まれている現場の実態を元テレビ朝日プロデューサーで上智大学文学部新聞学科非常勤講師、鎮目博道氏が現役テレビマンとして切り込んだ。

 現在、テレビ番組はニュースなどを除きほとんど制作がストップしており、収録済みの「在庫」が切れれば、総集編や再放送だらけになる可能性が高い。

 起きている問題を「放送局」と「制作会社」に分けて報告しよう。まず放送局からすると、今年はオリンピック関連番組を数多く編成する「特別な1年」のはずだった。

 大会期間中だけでなく事前番組も含めて多くの関連特番をやる予定だったのに、オリンピック延期だ。さあ、どうしよう?と緊急の企画募集をかけようとしていたのがまさに今のタイミングだ。ところが「開いた穴」を埋めるどころか、一層穴が大きくなってしまった。なにせ番組が作れないのだ。

 ソーシャル・ディスタンス(人と人の距離を1・8メートル以上取ること)をスタジオでも保たなければならない雰囲気になってしまい「ひな壇芸人」たちを並べるスタイルのバラエティー番組は収録をすることが難しい。

 海外ロケは渡航すらできないし、国内ロケもロケバスでの移動がまさに「3密(密閉・密集・密接)」だ。ドラマは多数の関係者を長時間拘束するので一番感染予防しにくい…ほぼすべての番組が作れないのだ。

 そもそもオリンピック関連CMも軒並みキャンセルとなり、コロナ不況でCMはまったく売れないうえ、「売る商品」である番組が作れないのだから放送局は経営悪化が必至だ。

 さて、制作会社はさらに深刻だ。放送局が枠を再放送で埋めるということは、制作会社にはほぼ一銭も入らないということだ。中小を中心に資金繰りが悪化するだろうし、中には倒産するところも出てくるかもしれない。現場で働くフリーランスは、まさに絶体絶命のピンチだ。

 筆者は総合演出として最近ある番組の収録を行ったが、収録に参加したスタッフからは「収録をやってくれてありがとう」と感謝の言葉を多くかけられた。まもなく収入が途絶えるだろうという予感を持つ人が多いのだ。

 出演者やスタッフの安全を守り、感染爆発を防ぐために放送局の「制作中止」の決断は英断だ。しかし、放送局は制作会社に何がしかの補償をするだろうか? 放送局自体の経営悪化を考えると私は悲観的にならざるを得ない。

 結局、しわ寄せは弱い立場の制作会社や現場のスタッフに来ることになるのだとしたら、とても切ない。

最終更新:4/8(水) 16:56
夕刊フジ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事