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メルセデスF1チーム、製造拠点を医療機器製造にフル活用。新型コロナ危機に対し名門大学UCLと開発の呼吸補助装置を生産

4/8(水) 8:10配信

motorsport.com 日本版

 世界中で感染が拡大する新型コロナウイルス。その患者数は日々増え続けており、その治療のためには、人員も機材も不足している状態だ。

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 そんな中、メルセデスのパワートレイン開発部門であるメルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインは、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の機械工学科と連携し呼吸支援装置(CPAP:経鼻的持続陽圧呼吸補助装置)のリバースエンジニアリングに取り組んだ。

 このUCL-Venturaと呼ばれる装置はユニバーシティ・カレッジ病院やロンドンの各病院で評価を受けており、イギリス政府からは1万台の発注を受けている。

 メルセデスは英国でCPAPが不足している中、COVID-19の危機的状況がピークを迎える前に、この装置を生産するためにブリックスワースのファクトリーを完全にこの装置の生産に転用することを決めた。

「英国政府から1万台の受注を受けた後、ノーサンプトンシャー州ブリックスワースにあるHPPテクノロジーセンターでは、1日に1000台のペースで装置を生産している」と、メルセデスのリリースには記載されている。

「現在、通常はF1(エンジン)のピストンやターボチャージャーを生産する40台のマシン(機械工作機)がCPAPの生産に利用されており、ブリックスワースの施設全体がこのために利用されている」

 UCL-Venturaの設計はマーク2でさらに改良が加えられており、マーク1と比較して酸素消費量を最大で70%削減し、既に政府による承認も受けている状況だ。

 この装置は呼吸をサポートすることによって新型コロナウイルス感染症の患者が集中治療が必要な状態になるのを防ぐ目的があるが、メルセデスは装置の設計のオープンソース化も実施している。

 実際、メルセデスF1チームのタイトルスポンサーである石油企業のペトロナスは、地元マレーシアでこのデバイスの生産を行なうことを認めている。

「プロジェクトが発表されて以来、CPAPについて世界中から信じられないほどの数の問い合わせを受けている」

 メルセデスHPPのエンジン部門のトップであるアンディ・コーウェルはそう語る。

「設計と製造仕様をオープンにすることで、世界中の企業がCOVID-19のグローバルな対応をサポートしていくために、これらの装置を迅速かつ大規模に製造することが可能となる」

 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのデイビッド・ロマス副学長も次のようにコメントを寄せ、同装置が大きく医療へ貢献していくはずだと語った。

「これらの救命装置は今後数週間の間にNHS(国民保険サービス)に不可欠なサポートをもたらし、患者を人工呼吸器から遠ざけることを助け、集中治療室のベッドやスタッフの需要を削減することを助けるだろう」

「我々はCOVID-19に備えて医療システムをサポートする上で、世界中に真の違いをもたらすことが可能だと信じている」

Luke Smith

最終更新:4/8(水) 9:58
motorsport.com 日本版

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