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自然も人も観測隊の魅力 読者の代わりは果たせたか? ぼちぼち南極

4/8(水) 10:32配信

47NEWS

 春の穏やかな日差しが降り注ぐ4月6日、神奈川県横須賀市の海上自衛隊基地に、見慣れたオレンジ色の大きな船体が少しずつ近づいてくる。約4カ月の間、行動をともにした南極観測船「しらせ」だ。あの甲板から、白一面の海氷やペンギンを見て喜んだ。ヘリコプターに乗って昭和基地や南極大陸にも行った。健康維持のために寒さをこらえて甲板をせっせと走ったなあ…。しらせを降りてから2週間ほどしかたっていないのに、さまざまな思いが去来した。(気象予報士、共同通信=川村敦)

 ▽脳裏によみがえる圧倒的な光景

 私が帰国したのは3月20日。南極を離れたしらせが寄港したオーストラリア・シドニーから飛行機に乗り、新型コロナウイルスの影響で閑散とした成田空港に到着した。もともとは22日に帰国する予定だったのだが、感染対策で前倒しになった。

 約4カ月の長旅も、終わってみればあっという間だった。同行中は、いろんな自然の表情を見ることができた。海の上にどこまでも広がる海氷、ぐるっと見回してみても雪と空しか目に入らない南極大陸、野生のペンギン。昭和基地で見た白夜に、しらせから見たオーロラ、文字通り満天の星空。初めて見る光景に圧倒された。

 ▽観測隊で出会った愛すべき「変態」たち

 それと同等かそれ以上に興味深かったのが、観測隊のメンバーや海上自衛隊のしらせ乗組員たち―極地で活動する人間たちだった。

 研究の試料を得るために、こんな遠方まで来て、氷点下の寒さをこらえて海洋の観測をしたり、海底の泥を採ったりする研究者。これまで研究室で研究成果について話を聞くことはあったが、こうした現場を見るのは初めてだった。うまく試料を得られてうれしそうな表情をする彼らを見て、良い意味で「変態だな」と思った。

 観測隊参加の魅力にはまり、何度も参加する設営系のメンバー。会社を辞めてまで隊員の公募に応募して参加した人たち。偶然や成り行きが重なり南極までやってきたしらせ乗組員。自分とは違う人生の話を聞くのが楽しくて仕方なかった。こうした人たちと、昼間は仕事で密着し、夜は夜で飲みながらくだらない話もかなりした。観測隊の誰かが言っていた。「南極の魅力は自然が半分、人が半分」。至言だと思う。

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最終更新:4/8(水) 10:42
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