ここから本文です

定年までに「資産運用」でどれくらいお金を増やせるの?

4/8(水) 7:11配信

マイナビニュース

サラリーマンであれば毎月"厚生年金"の掛け金を支払っているでしょう。iDeCoなどで、将来の年金の補完を準備している方もいるかもしれません。

【図表】60歳から必要な生活費は……?

老後など将来への不安は多くの方が抱くものです。だからこそ放置せず、自分のお金がどれほどあるのか、細かく検証する習慣をつけましょう。数値でしっかり把握すれば、安心できる老後のイメージをつかめます。そしてそのイメージに向けた準備は、若ければ若い時ほど楽です。

では、老後の準備を考えるに際して、20代30代の会社員は定年までにどのくらい資産を増やせるのでしょうか。また、どのような工夫が必要で、月々どれだけ用意すればよいのでしょうか。

必要生活費を算定してみよう!

必要以上の金額の資産を用意する意味はありません。自分たちが考える安心な老後の生活となる金額を冷静に計算することが重要です。老後を贅沢に過ごしたければ、その分若い時に苦労して資産形成しなければなりません。

老後の生活のイメージは人それぞれですし、それに応じて必要な生活費も異なります。年金額やリタイア後の就業の有無による収入にも違いがあるでしょう。

そのために必要金額は、自分で計算するしかありません。下記の表は、大まかに計算するための項目を整理したものです。考え方のヒントにしてください。


・生活費……厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、65歳以上の無職世帯の1か月の支出は、夫婦二人の世帯は約24万円、単身世帯は約15万円程度です。


・入院費……医療費は高額医療費制度があるので、上限が定められていますが、健康保険の対象外の治療費はその限りではありません。差額ベッド代や高度先進医療等、加入している医療保険も加味して考えてください。


・介護費用……介護保険の限度額を超えて利用する方はごくまれなので、あまり考慮する必要はないでしょう。おおむね80歳くらいから利用するつもりで自己負担分を計上してみましょう。


・施設入居費用……最後まで自宅で過ごしたいという方もいれば、有料老人ホームへの入居を考える方もいるでしょう。夫婦で高級な有料老人ホームへの入居となると、マンション購入相当の金額が必要で、月々の費用も相当掛かります。多くは自宅を売却して入居することとなりますが、プラスのお金ができるとは限りません。


老後はどうしたいかで、必要金額が大きく異なります。両親や祖父母などを参考に考えて費用を計上してみましょう。

年金で"基本的生活費"を賄えるようにしよう!

基本的生活費とは、平常時の月々の支出です。多少の日常的医療費やレジャー費も含みますが、入院やまとまった金額の旅行費用といったプラスアルファの費用は含みません。

老齢基礎年金と老齢厚生年金で、基本的生活費が成り立つかどうか考えます。もし不足するようであれば、掛け金を増やすなどし、年金だけで基本的生活費を賄う工夫をしましょう。

参考までに、30~60歳まで月々1万円をiDeCoの平均運用率である2.8%で積み立てると、60歳で約563万円になります。70歳まで働く前提で、その資金を70歳までの10年間、同様の利率で運用すると10年後に約702万円になります。それを90歳までの20年間で取り崩すと、月々約2.9万円の年金となります。運用しながら取り崩すと、さらに金額が増えます。自分の基本的生活費を踏まえ、iDeCoなどを上手に活用しましょう。

医療費やレジャー費などのお金を確保しよう!

基本的な生活費以外の費用は人によってかなり違いますので、ここでは分かりやすく1,000万円確保するのに毎月どのくらい貯蓄すればよいかを考えてみましょう。2,000万円必要であれば、倍額を月々積み立てる計算です。


<運用率に応じた月々の必要積立額>

1,000万円を30歳から60歳までの30年間で確保するには

・4%の利回りで運用……月14,408円

・3%の利回りで運用……月17,160円

・2%の利回りで運用……月20,295円


元本保証の商品は、ほとんど利子が付かないため、それだけで1,000万円確保するには、月々3万円近く積み立てなければならないでしょう。元本保証の商品で蓄財するのも必要ですが、それだけでは長い間の資産形成の上では、マイナス面も少なくありません。

一定範囲でリスクをとって投資をしていくことも必要でしょう。ただし、ハイリスクハイリターンのものばかりで運用するのは危険です。目標金額や自分たちが受け入れられるリスクをよく考えて、バランスよい配分を考えましょう。

例えば、1,000万円のうち300万円は元本保証のもので積み立てる。自分は200万円くらいであれば、リスクをとれるので、ハイリターンの商品で考える。残りの500万円は安全面も考慮しつつリターンも確保できる商品で資産形成する……といった配分です。

配分は、自分のその時の状況を考慮して考えます。住宅ローンを抱え、子供の教育費も早急に必要となると、あまりリスクを取れないかもしれません。逆に、子供の教育費など必要な支出までもう少し時間があるのであれば、今のうちハイリターン商品を多めにしておく配分が考えられます。その時々で変えればよいのです。

資産形成で大切なこと

まずは目標を立てましょう。上記の計算を行い、自分に最適な方法を見つけることが何より大切です。そして、自動引き落としなどで、必要積み立て分を先に取り分け、残りを生活費に充てて生活するように習慣づけましょう。

老後の生活費確保には「住まい」という資産が占める比率は少なくありません。60歳までにローンを完済すればその後は管理費等だけで過ごせます。また、必要に応じて賃貸物件としたり、売却したりできます。そのためには「住まいは資産である」ことを念頭に置いて、住まい選びを行うことが大切です。

もちろん、日々「節約」を意識することは重要です。性活に必要な耐久消費財等は、月々の収入から少しずつ積み立てて充当し、ボーナス等の臨時収入はできるだけ貯蓄に回しましょう。「ボーナス全額貯蓄する」くらいのスタンスで臨むとベストです。転職すればボーナスはないかもしれません。すぐにでも、無駄遣いをしない生活を心がけましょう。


「老後は2,000万円必要」というニュースが大問題になりました。なぜでしょうか。それは周囲と比べているからです。2,000万円あっても足りない方もいれば、1,000万円で十分だという方もいます。2,000万円なければないなりに、それ以下で暮らせる暮らしを模索すればよいだけです。

そろそろ、周りにとらわれて一喜一憂するのではなく、自分自身の望む人生を見つめ、正確に計算していく方向に転換したいものです。自分たちはそれほど蓄えられないと言わずに、まずは計算してみましょう。

今は65歳以上の時代と比較して給与も高いですし、共働きが増えています。実際に計算してみれば状況は簡単につかめます。状況が厳しいとなれば、再度今の生活を見直して修正すればよいのです。若ければ若いほど、少しの修正で済むはずです。


筆者プロフィール: 佐藤章子(さとうあきこ)

一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。

佐藤章子

最終更新:4/8(水) 7:11
マイナビニュース

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事