EC企業が2020年移行に向き合うべき検索エンジン対策(SEO対策)のポイントを解説したセミナー「検索No.1-SNSとコンテンツの局地戦で中小企業が大手に勝つ方法-」(主催はフューチャーショップ)。後半は「SEOとコンテンツ作りのポイント」「SNSを活用した事例」について、二天紀執行役員でユウキノイン代表取締役の酒匂雄二(さこうゆうじ)氏の講演内容を紹介する。
「大海のクジラではなく、池の中のクジラをめざそう」。これは、酒匂氏がスーツ屋で働いていた時、「スーツはすでに強い企業があって太刀打ちするのが厳しいが、モーニングや燕尾服などニッチな市場なら勝てるのではないか」と感じた経験から掲げた理念だ。
■ Googleアップデートで突然アクセス数が減る
酒匂氏は機能性肌着を取り扱う店舗から「ある日を境にアクセス数と売り上げが落ちた」と相談を受けたという。
「原因はGoogleのアップデート」(酒匂氏)。
Googleは検索品質の評価基準「YMYL(Your Money or Your Life)」という概念を持ち続けている。これは「ユーザーの将来の幸福、健康、経済的安定、人々の安全に潜在的に影響を与えるページ」を指すという。
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この概念に基づいてアップデートが行われた結果、身体にかかわるアパレル商品や栄養・効果効能をうたった食品では、商品の紹介に医療的な表現が含まれることが多いため、YMYLに抵触し、大きく順位を下げてしまったのではないか。(酒匂氏)
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そのため、健康へ直結する商品はきちんとしたエビデンスが取れているもの、たとえば、医療機関、国家機関、厚労省のデータなどに商品ページからリンクを入れる方が良いとのこと。
■ 意図や関連性の読み取りが深くなるGoogle検索
「Google検索は、検索意図のくみ取りや関連のくみ取りが強くなってきた」と酒匂氏。
今までの検索結果は、「ユーザーが検索した内容が入っていた場合」に太字でハイライトされるようになっていたが、「ユーザーが知りたいであろうキーワード、検索の先にあるユーザーの意図」をGoogleが読み取って表示するようになった。
太字で表示されるキーワードは、ディスクリプションではなくコンテンツ本文にあるtableタグ内の内容。「htmlに準拠した記載方法で、tableタグ内に商品のスペックや材質、使用用途などををしていると出やすい」と酒匂氏は解説する。
■ 3つに分類される検索キーワード
検索エンジンは、検索内容(キーワード)を以下3つの項目に分類されるという。
1. ナビゲーショナルクエリ:案内型。特定のウェブサイトに行くこと
2. インフォメーショナルクエリ:情報収集型。ユーザーが知りたい情報のこと
3. トランザクショナルクエリ:取引型。購入や申込みに関すること
酒匂氏が特に注目したのは2のインフォメーショナルクエリと3のトランザクショナリクエリ。
2のインフォメーショナルクエリは「ユーザーが知りたいこと」や「ハウツー」などのことを指し「コンテンツを充実させるのにピッタリ」だという。
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このクエリに該当するコンテンツを充実させると、同機の高い検索経由が取れる。ユーザーの同機が高そうなものをコンテンツで書いていき、そこから商品にリンクを貼ってSEOをしていく。(酒匂氏)
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3のトランザクショナルクエリは商品の購入や会員登録、資料請求などの行為にあたるため、ECにとって重要な部分になるという。
■ 「Do-Know-Go」を重要視した対策
Googleは「Do(Buy)-Know-Go」を提唱している。そのため、キーワードを見る際は「何をしたいのか」「何を知りたいのか」「どこのサイトに行きたいのか」「買いたいのか」といったユーザーの気持ちを読み取ることが大切だという。
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Search Console(サーチコンソール)のデータを見て、クエリがDKG(Do-Know-Go)のどれに当てはまるのかを確認する。どのようなユーザーの意図が含まれているのか掘り下げてどんな文章、コンテンツを作るのか決めながら集客につなげていく。(酒匂氏)
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上記を踏まえた改善ポイントを酒匂氏は以下のように解説した。
(1)検索順位は低いが表示回数が多い/クリック率が平均より高い
……検索結果の上位に表示されるコンテンツが、ユーザの意図を満たしていない可能性がある
(2)検索順位は高いがクリック率が少ない
……表示されるコンテンツがユーザーの意図とずれている可能性がある
いずれもコンテンツの見直しを行うことが重要という。
■ コンテンツ作りの基本は5W1H
酒匂氏は「コンテンツを作る際に大切なのは5W1Hだ」と説明する。
たとえば、複数人が1人の相手に対しそれぞれプレゼントを贈る場合。プレゼントを受け取る人は1人だが贈る人が複数いる場合、贈る人の数だけプレゼントを選ぶ基準がある。
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そのためには、「プレゼント」というビッグワードを取るのではなく、「プレゼント 同僚」や「プレゼント バッグ」などロングテールで取っていく方が購入頻度が高くなる。(酒匂氏)
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さらに、5W1Hにプラス1R(Research)をつけて考えると良いという。その部分はユーザーからのレビューで「こう言った目的ために使いました」という使用目的などを参考にし、社内で共有してコンテンツ作りに活かしていくと良い。
■ コンテンツマーケティングの基礎は100本ノック
コンテンツマーケティングについて、酒匂氏は自身の考えを「100本ノック」と説明。
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コツコツとブログやコンテンツを更新していくことが大切。まずはたくさん書いてみること。(酒匂氏)
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ただし「1日にたくさん記事を書くことより、安定して更新していくことが大切」とのこと。「ユーザーが見たときに『大体何日に1回更新しているんだな』と更新頻度がわかるようにコンテンツを更新するのが良い」(酒匂氏)
■ コンテンツは「好きなものを等身大で作ること」が大切
コンテンツ作りのコツを「コンテンツを作る前に、自分の職業と好きをマップ化するのが良い。そうすると良いコンテンツが生まれる」と酒匂氏は話す。
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あるブライダル企業で「ディズニーが好き」というスタッフがいました。ディズニーについて話を聞いていたら「ディズニープリンセス」があると。「プリンセスならドレス着ていることが多いので、ウェンディングと絡めてコンテンツを作ってみたら」とアドバイスしました。
それを受けて書いた記事は「ディズニー 結婚式 大阪」と検索した結果、2060万中の2位。好きなことと職業を絡めて良い結果が出た例だと思います。(酒匂氏)
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■ 複数のコンテンツを自社で競わせる「パシュートSEO」
「自社の2つのコンテンツを『追い抜き』させながら強いコンテンツを探し、作る」というSEOの手法について酒匂氏は説明。
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商品ページを先に一定作りこみ、検索結果の順位を確認して先行させます。その商品ページと順位を指標にしてカテゴリを作りこむ。先行する商品ページをカテゴリページで検索順位を追いかけていく。場合によってはブログでさらにロングテールを撒き、スケートのパシュートのように2つのページで追い抜き競争をさせていきます。(酒匂氏)
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既存コンテンツに対して後発(ブログ)コンテンツで追い上げをかけることも可能だ。専門性があると検索上位を取ることができるとのこと。
■ 「セレンティビティ」なコンテンツは強い
酒匂氏は「自分が良いと思えるような商品に偶然出会える『セレンティビティ』なコンテンツを持っているサイトは強い」と言う。
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セレンティビティなコンテンツは閲覧からすぐにコンバージョンには結びつかないかもしれないが、自社の存在を知ってもらい、自社とユーザーの出会いを作りながら新規のユーザーを獲得していくことができる。(酒匂氏)
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「SEOなどのように直接的でなくても、変化球からお客さんを入れ込んでいくこと」に力を入れていくことが大切だという。
■ 1つの受注の質を見る
SEOを開始してユーザーにたどり着くまでにいろいろな方法がある中で、酒匂氏は「セレンティビティなコンテンツ作り」を推奨した。
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まっすぐなSEOは効果が出るが、大手の壁、巨大通販モールの壁に直面する。セレンティビティはコスト・時間ともにかからないが、効果が出るまでに時間がかかる。リスティングは効果がすぐに出るが価格が高い。それぞれ特徴がある。
いくつかある方法の中で「結果が出るまでに時間がかかるが、ユーザーに『あった!』と思わせるコンテンツ作りが濃いユーザー獲得につながる。ニーズやペインが強いワード、ニッチ、ロングテールのキーワードをかき集めることが大切。(酒匂氏)
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最終更新:4/8(水) 9:01
ネットショップ担当者フォーラム


































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