【コロナショックが招く連鎖不況】
トランプ米大統領が自動車大手に激怒した。
「GMは閉鎖した工場を再開し、今すぐ人工呼吸器の生産を始めろ。フォードも大至急」
3月下旬、トランプはツイッターでそうつぶやき、朝鮮戦争中の1950年に制定した国防生産法を発動。これは民間企業に調達や増産を指示できる法律で、GMに対し早速、人工呼吸器の製造を命じた。トヨタ自動車も米国で人工呼吸器の製造支援を表明している。
ドイツやフランス、スペインでも自動車メーカーが人工呼吸器の生産に乗り出したり、その準備を進めたりしている。日本のスズキは、インドで人工呼吸器の製造支援に乗り出す。
自動車メーカーは新型コロナの影響で、生産休止が相次ぐ。トヨタ自動車は今月3日に国内5工場の製造ラインを一時休止。最長で15日まで2~9日間の稼働中止になるという。SUBARUは主力工場の群馬製作所の稼働を、11日から5月1日まで休止する。
「世界の自動車生産台数は一時的に4割も減少するといいます。工場をストップしたままではもったいないので、何かを製造しようということでしょう。それでも人工呼吸器とはビックリです。そんな簡単につくれるものではないでしょう」(市場関係者)
確かに、素人目には自動車と医療機器は全く違う製品だ。トランプに「早くつくれ!」と命令されても、おいそれと製造できるものではなさそうだが……。
「自動車は3万を超える部品でつくられています。その中にはチューブやモーターなど、人工呼吸器製造に必要な部品が多く含まれています」(IMSアセットマネジメント代表の清水秀和氏)
自動車の生産は一時的にストップしている。人工呼吸器に転用できそうな部品の在庫もあるとなれば、「つくれ!」と命令されるのも仕方がないか。
「ただし、中国を中心としたサプライチェーン(供給網)が崩壊しているし、自動車メーカーは今後の部品供給に不安を抱いています。人工呼吸器の製造は世界的に急務だとはいえ、自動車業界は先行きの不透明さに怯えています」(市場関係者)
上場する自動車関連メーカーの23社が新型コロナの影響で下方修正に踏み切り、7社が最終赤字を予想している(東京商工リサーチ調べ、3月25日時点)。医療機器製造という新たな波乱要因が業績を一段と悪化させかねない。
最終更新:4/8(水) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL



























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