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「Wi-Fi 6」用の6GHz帯開放に向け規則案、米FCC

4/8(水) 10:41配信

EE Times Japan

 米連邦通信委員会(FCC)は2020年4月1日(米国時間)、「2022年までに、全世界のモバイルデータトラフィックの約60%が、Wi-Fiにオフロードされることになる」とする予測に基づき、6GHz帯をWi-Fi用途向けとして開放する規則案を配布した。FCCは、2020年4月23日に開催を予定しているオープンミーティングにおいて、この規則案の投票を実施するとしている。ワイヤレスブロードバンド業界は、「今回の動きにより、『Wi-Fi 6』の潜在可能性が引き出され、Industry 4.0(インダストリー4.0)の実現が後押しされることになるだろう」と主張する。

 しかし、FCCが、Wi-Fiなどのライセンスを持たないデバイスによる6GHz帯の使用を後押しするのに対し、警戒が必要な場合もある。今回の規則案は、FCCがWi-Fi向けに提供を予定する6GHz帯において、1200MHzを超える帯域幅を割り当てようとしている。またFCCは、隣接した5.9GHz帯の75MHz幅の大半を開放する案についても言及している。これはもともと、自動車業界向けに、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)やV2V(Vehicle-to-Vehicle)などのVSC(Vehicle Safety Communication:通信を利用した安全運転支援システム)を実現するためとして確保されていた帯域だ。

 それでも今回の規則案は、Wi-Fiコミュニティーにとって喜ばしい知らせだといえる。Wireless Broadband Alliance(WBA)のCEOを務めるTiago Rodrigues氏は、「6GHz帯をWi-Fi 6技術向けに開放するという今回の提案は、グローバルWi-Fiに大きな変革をもたらすことになるだろう。この新しい帯域は、他のWi-Fi帯域全ての合計を超える容量を提供することができる」と説明する。

 「現在、さまざまなWi-Fiネットワークが過密状態にあることや、特に最近では、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響でテレワークが増え、企業ではなく各家庭のトラフィックが増えていることなどを考えると、今回の規則案が承認されれば、非常に重要な影響を及ぼすであろうことが分かるだろう。こうした理由から、われわれはこれまで、参画メンバーとの密接な協業により、『Wi-Fi 6E』(6GHz帯に対応するWi-Fi)の最初の試用に向けて取り組んできたのだ」(同氏)

 Rodrigues氏は、「6GHz帯を開放するという案は、マルチギガビットクラスの通信速度や低レイテンシ接続を実現することにより、消費者や企業、産業界などに向けてさらに進化したモバイルサービスを提供できるようになることを意味する。Wi-Fi 6Eは既に、最新の5G(第5世代移動通信)モバイルネットワークに匹敵する通信速度を実現できるということが、試験において実証されている」と続ける。

 さらに、「Wi-Fi 6Eは、地下鉄や駅、イベントスタジアムといった混雑した場所での接続性を向上できる。VR(仮想現実)/AR(拡張現実)やモバイルゲームなどアプリケーションに必要なレベルの低レイテンシをサポートすることもできる。こうしたことから、今回のFCCの発表は、Industry 4.0の実現に向けて取り組んでいるさまざまな事業体にとって、非常に重要な後押しとなる」と述べた。

 FCCの議長を務めるAjit Pai氏は、「免許不要なアンライセンス機器を6GHz帯で動作させることを許可する規則案を発表した。これにより、1200MHzの帯域幅をライセンスなしで利用できるようになる。

 Pai氏は「米国では、Wi-Fiにつながる家電の使用が急激に増えており、そのトレンドは今後も続くと見込まれる。Cisco Systemsは、2022年には世界のモバイルデータ通信量の約60%がWi-Fiにオフロードされると予測している。そうした需要の増加に対処すべく、FCCは、6GHz帯全てを開放する計画だ。これにより、Wi-Fiに利用できる帯域が約5倍に増えるだろう。これは、米国の消費者やイノベーターに大きな利益をもらたす他、5Gを含めた次世代ワイヤレス技術における米国のリーダーシップをさらに推し進めるものとなるだろう」と語った。

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最終更新:4/8(水) 10:41
EE Times Japan

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