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子どもを運動好きにする授業の工夫は

4/8(水) 10:20配信

ベネッセ 教育情報サイト

将来にわたって健康的な生活を送るためには、睡眠や食事のほかに運動も大事な要素です。子どもたちの体力が低下するなか、体育の授業で「楽しい」と感じる取り組みが注目されています。友達と助け合う、グループで考える、個人の力に応じた練習方法を取り入れるなど、一斉に指導するスタイルからの脱却がポイントになりそうです。

小学生が運動不足に

スポーツ庁が公表した2019年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」では、小中学生の男女とも体力が低下し、特に小学校男子が大きく落ち込んでいることが明らかになりました。調査は小学5年生、中学2年生を対象に、毎年行われています。1週間当たりの運動時間を見ると、世界保健機関(WHO)が推奨する「1日当たり60分の中程度から激しい運動」を満たしているのは、小学5年生で男子51.4%、女子30%、中学2年生で男子82.1%、女子67.5%となっており、中学生のほうが運動量が多いことがわかりました。

子どもの運動不足は日本だけでなく、世界共通のようです。WHOは、11歳から17歳の青少年の8割以上が運動不足だと指摘。骨や筋肉、心肺機能の成長を促し、将来、健康にすごすためにも、各国は子どもの運動量を増やす対策が必要だとしています。

スポーツがもともと好きで得意なタイプの子どもは、自分から友達を遊びに誘ったり、体育の授業でも意欲的に取り組んだりできます。しかし、運動が苦手で、嫌いだと思っている子どもは、そうはいきません。苦手でも、体を動かすのは楽しい、と思える働きかけが必要です。

今回の調査結果をまとめた報告書は、▽友達と助け合ったり、役割を果たしたりする活動▽友達同士やチームの中で話し合う活動▽自分に合った練習や場を自分なりに選べる活動……などを取り入れた体育の授業が有効だとして、学校での取り組み事例を紹介しています。

一人ひとりに合った方法で楽しく

小学校の例では、準備運動や基礎的な練習メニューをペアやグループ活動の形にして、楽しみながら運動量を確保する授業が紹介されています。ICTを活用して自分たちの動きを録画し、お手本の動画と見比べることで、体の動かし方がわかるようにした「課題解決型」の授業にした学校もあります。授業以外にもバランスボールや、トランポリンなど、興味をひきそうな器具を用意して、休み時間に自由に遊べるようにした例も紹介しています。

中学校では▽球技のゲーム時にチームの人数を減らし、ルールを話し合いで決めるなど簡易化する▽ハードル走で高さを2段階にする▽器械体操で武道用の大きなマットを活用する……など、体力や技能に応じた練習の場を設定した例が紹介されています。

誰もが楽しめることに焦点を当てた授業で、運動好きな子どもを増やすことが、今後の体力向上のカギになりそうです。

(筆者:長尾康子)

※スポーツ庁 2019年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/kodomo/zencyo/1411922_00001.html

プロフィール
長尾康子
東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

最終更新:4/8(水) 10:20
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