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宣言発令、帰りたいけど… 首都圏の道産子、悪者扱い恐れ

4/8(水) 11:32配信

北海道新聞

「コロナ疎開」中傷に警鐘

 新型コロナウイルスの感染拡大や政府の緊急事態宣言を受け、首都圏から道内に里帰りした大学生や帰省を検討する単身赴任者に不安や迷いが広がっている。「仮に自分が感染していたら」との恐れに加え、インターネット上で「疎開」になぞらえたバッシングや周囲の厳しい視線を懸念する人も。専門家は「それぞれの事情を無視した非難は慎むべきだ」と警鐘を鳴らす。

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自室にこもって1人で食事

 「もし自分が感染して地域に広がったら、私も家族も悪者にされるかもしれない」。東京都内の大学に通う20代の女性は、留学先だった欧州の感染拡大を受けて帰国し、都内のホテルで2週間の待機期間を経て今月4日、ようやく実家がある北海道に戻ってきた。

 留学に伴って都内のアパートを解約したため、戻れる場所は実家しかない。都内のホテルでも人に会わず過ごしたが、感染が心配で、今も自室にこもって食事は1人でとり、会話も極力、無料通信アプリLINE(ライン)を使う。「日常に戻れるのはまだ先になりそう」と話す。

 4月末に都内での単身赴任を終え、札幌に戻る予定の会社員男性(55)も「本当に帰っていいのか」と困惑気味だ。もともと3月末での帰任予定を延期し、在宅勤務を続けている。札幌の部署からは出勤を求められているが、自宅に高齢の義父母がおり、「自分が感染していたら、うつしてしまうのでは」と気がかりだ。

ネット上に批判

 鈴木直道知事は7日の記者会見で、首都圏との不要不急の行き来を避けるよう呼びかけ、警戒を強める。一方、緊急事態宣言が出て以降、会員制交流サイト(SNS)では「たのむから北海道に来ないで」「コロナ疎開やめてくれ」「ウイルスまき散らすな」など批判的な投稿が相次ぐようになった。

 「公共交通機関を使うと、感染の恐れがある。千葉まで車で迎えに行かなきゃダメだ」。道央の主婦(49)は、千葉県の大学に通う娘を帰省させると知人に話したところ、強い口調で言われた。娘はバイト先も開店休業状態で、自粛要請が続く中、他の仕事を見つけるのも難しい。主婦は「やむを得ず北海道に戻る選択をする人がいることも分かってほしい」と訴える。

最終更新:4/8(水) 11:32
北海道新聞

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