LOVE PSYCHEDELICOが3月25日、シングルコレクション『Complete Singles 2000-2019』をリリース。4月21日にデビュー20周年を迎えることを記念するCD4枚組の豪華版。2000年のデビュー曲「LADY MADONNA ~憂鬱なるスパイダー~」以降のシングル表題曲とカップリング曲を網羅しており、彼らの世界観を堪能できる。デビューから20年、彼らは何を大事にして活動を続けてきたのか? LOVE PSYCHEDELICOの飽くなき音楽へのこだわりについて語ってもらった。また、4月20日から放送されるテレビ東京系ドラマBiz『行列の女神~らーめん才遊記~』のオープニングテーマとなる新曲「Swingin’」についても制作エピソードなどを聞いた。【取材=榑林史章】
――20周年を迎えるということで、改めて思うことはありますか?
KUMI 思っていたよりもあっと言う間でした。若い頃は20周年だと聞くと「すごいな」と思ったけど、いざ自分が20周年を迎えると、すでに30年、40年と長く活躍されている大先輩が大勢いらっしゃって。なので、キャリアを積んできたなというような気持ちはありません。
NAOKI 2月に出演させていただいた佐野元春さんのイベントは40周年だったし、ザ・ビートルズのアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・クラブ・ハーツ・バンド』の50周年記念盤がリリースされたのも数年前、ザ・ローリングストーンズにいたっては50周年をとうに越えていますからね。それに比べればまだまだ青二才です(笑)。
――そういう先輩にならって、40年、50年を目指していきたい?
KUMI 続けることが目標ではないけれど、これからも続いていくとは思いますね。
NAOKI 先のことはそんなに考えないけど、音楽をやるということがやっと日常の一部になってきたな、というのはありますね。
KUMI やっと自分の生き方と音楽が、自然とひとつになったなと思います。
NAOKI だから以前に比べると「アルバムを作るぞ」とか「新曲を書くぞ」という衝動がそんなに大事件ではなくなったというか。こちらから考え込まなくても自分の生活から音楽が逃げなくなりました。きっと近いうちにアルバムを作ると思います。
――20年のなかでは音楽と向き合うことが楽しいときもあれば辛いときもあり、今はそれも含めて寝食と変わらないものになっている、という感じでしょうか。さて、今回リリースされる4枚組アルバムを聴くと個人的に「変わってないな」と思うのですが、お二人としてはどう思われますか?
KUMI 変わった変わらないにもいろいろあると思うけど、当時やりたかったことや、やろうとしていたこと、そういったものはあまり変わっていない気がしますね。
NAOKI 変わったとすれば、2005年に自分たちのレコーディングスタジオを作ったことは、ターニングポイントになったとは思います。2007年にリリースした4thアルバム『GOLDEN GRAPEFRUIT』から自分たちのスタジオで作っているんだけど、それ以前とそれ以降ではサウンドに違いがあるかもしれませんね。
KUMI サウンドはより自分たちの“好み”になりました。自分たちのスタジオを作ったことで、エンジニアリングも自分たちでやるようになったし、最近(2017年の7thアルバム『LOVE YOUR LOVE』以降)ではミックスまでやっているので。
――“好み”というのは、具体的に言うと?
KUMI 自分たちが、グッとくるかどうかなんですけど、新しいことをやるにしても、まずはそれを判断基準にします。ひとつアイデアが出れば実際にやってみるんですけど、グッとこなかったから結局そのアイデアは止めてしまうこともあります。
NAOKI 例えばスネアの音の長さとか、同じコードでもドミソなのかミソドなのかといったヴォイシング(和音を構成する音の並び方)とか、そういう細かいツボの話になるとデビュー当時から僕らは好みが確かに一貫しているところは感じますね。
――その根本にあるのが、お二人が影響を受けた音楽ですね。
KUMI 70年代の西海岸のサウンドには強く影響を受けていると思います。
NAOKI よく僕らの曲を聴いて「ビートルズを感じる」と言ってくださる方もいて、ビートルズからももちろん影響を受けているんですけど、たぶん一番影響を受けているのは、70年代のウエストコーストの音楽です。特にイーグルスを筆頭にした、アサイラムレコードのアーティスト達の影響は大きいですね。
KUMI その時代のサウンドは今でも私たちの憧れであり、自分たちのルーツにもなっていると思います。
NAOKI スケボー、スノボー、サーフィンなど季節によっていろいろ楽しむ人もいるけど、滑るスポーツなら全部好きというわけじゃなくて「サーフィンが良いんだ!」という人もいるじゃないですか。それってスポーツとしてだけじゃなく、見える景色や海の香りなども含めてサーフィンしかやらないと言っていると思うんです。
僕らもきっとそれと同じような感覚で、西海岸のロックしか表現したくないわけじゃないけど、なぜその手法にこだわるのかと言ったら、風の匂いや音楽から感じられるその西海岸のムードやマナーが自分たちにフィットするからで。仕上がりの方向性や表現の手法に時にはルール、もしくはルーツ音楽のマナーが存在してアレンジの可能性が限定的になることが例えあったとしても、その曲がその曲らしく仕上がればそれで良いんじゃないかって思っています。
――自分たちの憧れを追い求め、こだわり続けている。それが音楽に表れているからこそ、長年応援してくれるファンがいるんでしょうね。ファンの反応はどのように受け止めていますか?
NAOKI SNSなんかを通じて自分たちよりもっと目上のファンの方が、「懐かしい」といった感覚で反応してくれることも多い一方で、最近は20代の若いファンの方が、親の影響もあると思うけど子どものころから聴いてくれていて、「新しさを感じる」といった反応もあって。そういう両極端な反応があるのは、LOVE PSYCHEDELICOのとても面白いところかもしれませんね。
最終更新:4/8(水) 11:03
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