釣り人たちの間でこの春、期待されていた釣りの名所があった。先月、全羅南道麗水市と高興郡の間にある島々をつなぐ橋が8年という月日を経て完成し、イイダコやメバル釣りで有名な島「狼島」に行きやすくなったからだ。橋ができたことから、同島には週末の一日で約1000人が殺到した。このため、高齢者が大半の島民約150人が新型コロナウイルスの流入を心配し、「どうか来ないでください」と訴えている。開通した橋をふさぐことはできないため、「村にだけは入ってこないで」とお願いしているという。
【写真】済州で菜の花畑処分、新型コロナ拡大防ぐため
「光陽梅祭り」「鎮海軍港祭」「汝矣島桜祭り」といった有名な催しがことごとく中止になっているのにもかかわらず、人々が各地方に押し寄せていることから、自治体では散策路や駐車場を閉鎖した。「ようこそ」という立て看板があった場所にサーモグラフィー・カメラを設置して防疫車を止めた。昌原市内には「花見客の皆さんの訪問自粛を切にお願い申し上げます」という垂れ幕や横断幕が掲げられた。先週末、ソウル・汝矣島に花見に行った人々は、国会議事堂の裏通りが閉鎖されていたため、高層ビル「63ビル」側の歩道に集まったという。
このような現象は日本も例外ではない。沖縄県石垣市の石垣島には最近、「南の島は安全」といううわさが広まり、例年よりも多くの旅行者が集まっているそうだ。同市の市長が先週、記者会見を開き、「(観光客の来島は)平時であれば大変ありがたいが、今は国難とも言える有事だと考えている」として、来島自粛を訴えた。石垣島には病床が3床しかないという。
本紙4日付に江原道三陟市で菜の花畑を掘り返す写真が掲載された。三陟市は旧国道7号線沿いに広さがサッカー場の8倍という菜の花畑を作り、毎年この時期に観光客を集めてきた。今年は催しを中止したのにもかかわらず、外部から来訪者が相次いだため、取り急ぎトラクターで広さ1万6000坪の見事な菜の花畑を掘り返したのだ。ソウル・北村韓屋村、釜山・甘川文化村などで、観光客による騒音やゴミによる「オーバーツーリズム」(観光公害)が問題になったことはあるが、ほぼすべての自治体が「どうか誰も来ないでください」と泣きながら訴える姿は、新型コロナウイルス感染拡大が生み出した、今までとは違う風景だ。
イタリアのベネチアは住民5万5000人に対して年間観光客が3000万人という混雑した観光都市だ。今は花が美しく咲く盛りで、観光客を迎えるシーズンなのに、閑散としたゴーストタウンになった。誰も行かないし、誰も来てほしいとは言わない。家に閉じこもって息が詰まるような思いをしているのは、全世界が今、共通して感じている苦痛だ。大勢集まって歩き回るだけで迷惑をかけるのだから、近所に咲く花を見るくらいで満足しなければならない。それにしても今年の春はどうしてこんなに早く、しかも美しく花が咲いたのだろうか。あまりにも美しく咲きすぎた罪で、トラクターに掘り返されて打ち首となった花たちに弔意を表する。
韓賢祐(ハン・ヒョンウ)論説委員
最終更新:4/8(水) 11:48
朝鮮日報日本語版
























