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EU財務相、新型コロナ対策の59兆円規模パッケージで合意できず

4/8(水) 15:46配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)の財務相らは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経済への打撃を和らげる5000億ユーロ(約59兆円)規模のパッケージを協議したが、合意できなかった。EUがこの危機を乗り切れる可能性に疑問符が付いた。

財務相らは16時間余りにわたる緊急電話会議で、欧州経済回復に向けた措置についての見解の相違を調整できなかった。フランスを中心に新型コロナの感染が深刻な南部の諸国が共同債の発行などを主張したのに対し、ドイツなど北部の諸国が対立した。

財務相らは9日に再び電話会議を開く予定。

協議の内容について知る当局者2人によると、物別れの主因は新型コロナ対策費用を賄うためにユーロ圏の救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)からの与信枠を利用する場合の条件を巡りオランダとイタリアが対立したこと。また、共同債発行の可能性を示唆する共同声明の文言についても各国が議論を戦わせたという。

会議の決裂を受けてイタリア国債は値下がり。10年物利回りは一時18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.80%と3月19日以来の高水準となった。

フランスのルメール経済・財務相とドイツのショルツ財務相は会議決裂後にツイートを送り、両相が協力するとした上で、全ての加盟国に「異例の難局」を乗り越えて大胆な合意に達するよう呼び掛けた。ショルツ氏はその後記者団に、合意は近く、12日までに成立することを期待していると語った。

財務相らは新型コロナによる経済危機への対応策を週内にまとめることを首脳から委ねられているが、次の一手を巡り南北間の分断を乗り越えられずにいる。

議論されている主な案は、各国の国内総生産(GDP)の最大2%に相当する与信枠をESMが提供すること、欧州投資銀行(EIB)が運営し企業に流動性を提供する2000億ユーロ規模の基金設立、雇用維持のための1000億ユーロ規模の再保険スキームの3つ。フランスは共同債の発行によってEU域内総生産(GDP)の3%に相当する一時的な準備基金を創設することも提案している。

原題:EU Fails to Agree on Virus Response as Old Divisions Persist、EU Fails to Agree on 500 Billion-Euro Response to Virus Crisis(抜粋)

(c)2020 Bloomberg L.P.

Viktoria Dendrinou, Nikos Chrysoloras

最終更新:4/8(水) 19:19
Bloomberg

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