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軽減税率で優遇される「新聞」が今こそやるべき、新型コロナ情報の“無料化”

4/9(木) 8:00配信

ITmedia ビジネスオンライン

 4月7日、日本で初めて緊急事態宣言が発令された。8日からは外出などの自粛があらためて要請され、感染者数の多い首都・東京を中心に、国を挙げて新型コロナウイルス(Covid-19)との戦いを強化することになった。

【カナダ・トロントの街。感染拡大でレストランが休業】

 企業活動は停滞し、ビジネスパーソンもテレワークを実施するなどこれまでにはなかったような勤務体制になっている人が増えている。イベント関係がほぼ全て中止になって収入が激減している人や、小売店やレストランなどの従業員ですでに職を失った人の話も耳にするようになった。

 ただ、強制力はないにせよ緊急事態宣言が出たことで、国民は痛みを受けるが、拡大する感染症に立ち向かうしかないという意識は高まった。その意識を共有しなければ、なかなか状況は改善しないだろう。

 こうした政府の措置と合わせて、今回のような感染症と戦う上で重要なのは「情報」である。デマやフェイクニュースなどが国民を揺さぶり、混乱に拍車を掛けたりする。日本でも、情報に惑わされて買い占めに走る人たちが出ていることや、効果のない対処法を喧伝(けんでん)する詐欺まがいの情報が問題になっている。

 正しい情報を得ることは重要な対策の一つと言えよう。そして今、正確で信頼できる「情報」の重要性や公益性について考えさせられるような動きが海外で起きている。ぜひとも日本でも同じように実現すべきだと思える話なので、ここで紹介したい。

カナダの有力紙、ファストフード店で新聞を無料提供

 まずはカナダだ。

 カナダでは、1月に世界的に新型コロナウイルスの感染が広がっている事態を受けて、空港で検疫強化を始めた。その矢先の1月22日、中国の武漢から帰国した50代男性が感染していたことが判明。それから徐々に感染者が増え、ジャスティン・トルドー首相の妻が感染したことが大きく報じられた。

 4月7日現在、カナダの感染者数は1万5790人で、死者数は293人に上る。感染者数はまだ増え続けており、国内の全ての地域に非常事態宣言が出され、集会が禁止されて学校が休校になっている。ほとんどのレストランやバーでも、座って飲食することはできない状態だ。

 そんなカナダで3番目に大きな有力紙であるナショナル・ポスト紙が4月1日、こんな記事を掲載した。

 「今ほど、カナダ人が正確で信頼できる情報を渇望している時はない。(ナショナル・ポスト紙の発行元である)ポストメディア社では、何十年、いや、何世紀にもわたってそんな情報を読者たちに提供してきた。誤った情報や、人をだまそうとするガセなどがそこら中にある今、ニュースを得るのに私たちの新聞を選んでくれる人たちがいることを誇りに思う」

 記事は続く。「そして今、カナダのファストフードチェーンである『Mary Brown's Chicken & Taters』との協力によって、私たちは価値ある信頼できるニュースと情報の全てを、無料で提供することにした」

 「Mary Brown's Chicken & Taters」は、カナダで170店舗を展開する有名なフライドチキンのファストフード店である。ポストメディア社はそのファストフードチェーンと手を組んで、同社が発行するいくつもの新聞を4月の終わりまで無料で提供すると発表した。ナショナル・ポスト紙の公式サイトでも、全ての記事が無料で読めるのである(新聞によって無料期間は変わる)。

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最終更新:4/9(木) 8:00
ITmedia ビジネスオンライン

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