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新型コロナ禍の首相会見 「記者クラブ」は正しく機能しているのか

4/9(木) 17:30配信

アーバン ライフ メトロ

首相自ら会見で情報発信する意義

 2020年4月7日(火)、安倍晋三首相は緊急事態宣言をすると記者会見で表明、翌8日0時に発令されました。緊急事態宣言が発令される前から、都内の繁華街は人通りが少なくなっていましたが、発令後はさらに人の気配が薄らいでいます。

【画像】新宿からヒトが消えた日 「緊急事態宣言」翌日の新宿を歩く

 緊急事態宣言を発令するまでに至った新型コロナウイルス禍は、今のところ終息する見込みが立っていません。先の見えない新型コロナウイルス禍は、国民は経済的にも健康面でも不安に陥れています。そうした精神的なストレスを抱えながら、国民は毎日を過ごしています。

 そうした不安を鎮める処方箋のひとつが、政府による適切な情報公開です。

 有事の際、誤った情報や悪意に満ちたデマは多く飛び交います。また、そのときは正しい判断のもとに提供された最新の情報が、時間の経過とともに内容が古くなり、役に立たなくなったり逆に不利益になったりします。私たちが行動を起こす際、情報は非常に大切なものなのです。

 日本国内での感染拡大が表面化・深刻化した2月以降、安倍晋三首相は頻繁に記者会見を実施するようになりました。情報社会の昨今にあっても、最も多くの情報を握るのは当然ながら政府の中枢。国内で最も情報を有する機関、そして何より最も国民生活に影響を及ぼす情報を発信する役割を担う機関、それが政府です。

 政府が情報を発信する場のなかで最も重要な意味を持つのが、首相官邸(千代田区永田町)で行われる、首相による記者会見です。

事前に用意した原稿を読み上げる「首相発言」

 多忙を極める一国の首相ですから、毎日のように記者会見を開くわけにはいきません。それでも「囲み取材」という簡易な場で政策方針を述べることもあります。

 ただし、囲み取材は会見ではなく、一方的に首相側の主張を伝える場です。質問なども可能ではありますが、短時間ゆえに記者からの質問は大幅に制限されます。

 そのため、時間を要する説明、込み入った政策に関しては記者会見という正式な場を設けて説明する必要があるのです。

 官邸で開催される首相の記者会見は、明文化されてはいないものの、長い慣習のなかではぐくまれたルールがいくつかあります。明文化されていないこと、そうしたルールが一般的に表に出ることがない、セキュリティー上の問題から出してはいけないこともあるため、新聞やテレビの報道を通してもその内情の全てをうかがい知ることはできません。

 そうした謎めいた部分が多いのですが、ここで簡単に首相会見のルールを説明していきます。

 首相会見のルールは、あくまでも通常時の内容で、TPOに合わせて細かな変化はあります。また、首相や官房長官、官邸の都合などによってもかすかな変化はあります。それでも、大筋のルールを知っておくことで、官邸会見を見る目は大きく変わることでしょう。首相会見の見方が変われば、首相の言動にも関心が高まり、それが政策への興味にもつながるはずです。

 官邸での首相会見は、まず冒頭に安倍晋三首相からの「発言」があります。これは、おおよそ20分から30分間程度の内容で、政府が直面している政策課題、そのために何が必要なのか? どういった取り組みをしているのかを伝えます。

 首相の発言は、事前に用意された原稿があるので、それを首相が読み上げる形式が取られています。

 首相の「発言」後、記者たちの質問に移ります。

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最終更新:4/9(木) 18:41
アーバン ライフ メトロ

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