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なぜ札幌はチーム練習の一般見学に踏み切ったのか? 野々村社長の逡巡、決断、これから…

4/10(金) 12:11配信

REAL SPORTS

猛威を振るい続ける新型コロナウイルスの感染拡大により、Jリーグはいまだ再開のめどが立たない状況にある。各クラブも活動を停止させるなど甚大な影響が出ている中で、3日からトップチームのトレーニングの一般見学を再開させたのが、北海道コンサドーレ札幌だ。ともすれば、同調圧力の強い日本では批判も起きかねないこの決断を下したのはなぜなのか? 野々村芳和社長、鈴木直道北海道知事の言葉を紐解きながら、これからのスポーツ界の目指していく姿を考えたい。

(文=藤江直人)

4月3日からトップチームの練習見学を再開

津軽海峡の向こう側に広がる北の大地で、サッカーが日常を取り戻しつつある。感染拡大を続ける新型コロナウイルスの猛威が収まらず、ついには7都府県で緊急事態宣言が発令された状況下で、北海道コンサドーレ札幌はファン・サポーターが見学するなかで日々の練習を実施している。

何をもって「日常」とするのか。J1の18クラブの現在地を見れば明白だろう。実に14ものクラブが活動を休止。清水エスパルス、サンフレッチェ広島、サガン鳥栖は練習を継続させているもののファン・サポーターの見学は不可で、エスパルスは19日からの活動停止をすでに決めている。

つまり、コンサドーレだけが「コロナ前」の状態に戻っている。クラブによる判断の推移を見れば、むしろ「コロナ後」に移ったと言った方がいいかもしれない。冒頭で「取り戻しつつある」と現在進行形で記したのは、見学に訪れるファン・サポーターへの感染拡大防止策を実施しているからだ。

札幌市西区にある練習拠点、宮の沢白い恋人サッカー場内へ入場するには、まず臨時に設置された検温所で検温を受ける。37.5度以上の発熱が計測された場合や、あるいはのどの痛み、せき、強い倦怠感、息苦しさなどがある場合には事情を説明して見学を遠慮してもらっている。

さらにアルコール消毒液で手指などを消毒し、マスクの着用が推奨され、ピッチに接した座席に座る際には前後左右に一定の間隔を設けることが求められている。座席から選手たちへ声援を送ることも控えられている光景が、練習が再開された3日から継続されている。

「世の中から何が求められているのか、ということを考えたときに、まだ何もしない方がいいのか、あるいはそろそろ次へ動いた方がいいのかを、いろいろな情報をもとに考えてきました」

コンサドーレを運営する株式会社コンサドーレの野々村芳和代表取締役社長CEOは、他のクラブの動きに逆行する決断に至るまでに逡巡(しゅんじゅん)が繰り返されたと振り返る。前者を、要は他のクラブにならって練習を完全非公開のままとするのは簡単だ。同調圧力が求められがちな日本社会の風潮を考えれば、ハードルが一気に上がる後者、要は公開へと動いた理由をこんな言葉に帰結させている。

「北海道知事や札幌市長が発している言葉は、大きな判断材料にしなければいけないと考えました」

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最終更新:4/10(金) 19:26
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