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IntelのRISCプロセサ「i860」を使ったスパコン「Intel Paragon」

4/12(日) 9:35配信

マイナビニュース

Intelスパコン事業部が生み出した「Paragon」

1994年6月の第5回Top500で1位となったのは、米国のSandia国立研究所に設置されたIntel製の「XP/S-140 Paragon」というスパコンである。

【画像】XP/S 140 Paragonノード構成

現在のIntelはスパコンを作っていないが、当時は「Supercomputer System Division」というれっきとしたスパコン事業部があった。そして、IntelはThinking Machinesと並んで、多額のDARPAの資金を獲得してスパコンを開発していた。

Paragonの元になったカリフォルニア工科大学のTouchstone Delta

カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)は1990年にTouchstone Deltaと呼ぶ500ノードの超並列マシンを開発し、30GFlopsを超える性能を達成した。このマシンは、IntelのRISCプロセサであるi860 XPを使っており、Intelが製造を担当した。

なお、カリフォルニア工科大学はNASAの惑星探査機の開発や運用などを行っているJet Propulsion Laboratories(JPL)が置かれている大学で、2020年のTimes Higher Education(THE)の世界大学ランキングで英国のOxford大学に次ぐ2位のランキングを獲得している超名門校である。

Intelのi860 RISC CPUを使ったParagonスパコン

このTouchstone DeltaをIntelが商用化したのがParagonである。Paragonはi860 XPを2個搭載したノードを2次元のメッシュネットワークで接続した構造で作られている。i860を3680個(これは通信CPUを含まない数と考えられる)使用しLinpackで143.4Glopsを達成し、NWTの124.2GFlopsを抜いてTop500の1位を獲得した。

次の図のように、計算ノードはi860 XPを2個搭載し、1個はアプリケーションCPU、もう1個は通信CPUと呼ばれ、通信やハウスキーピング処理を実行する。メモリは2個のi860で共通で、容量は16-64MBであった。そして、このノードは二次元メッシュの交点に置かれたMRC(Mesh Routing Chip)に接続されている。

CPUのクロックは20nsで、64bitの倍精度浮動小数点演算性能は最大75MFlopsであった。また、ノードの内部バスは400MB/sのバンド幅であった。

なお、この図にアプリケーションCPUと書いてあるように、一部のノードはディスクのR/Wやグラフィック処理などにも使われた。これらの計算以外のノードのi860は3680コアには含まれていないと見られる。

Paragonは1994年6月にTop500の1位を獲得したのであるが、1994年11月には、NWTが170GFlopsを達成して1位を奪還されてしまう。NWTは140コアのままでハードウェアは増設されていないので、HPLプログラムの最適化で性能を上げたと見られる。

Hisa Ando

最終更新:4/27(月) 8:55
マイナビニュース

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