ここから本文です

建設業にコロナショック 新型コロナウイルス感染拡大が建設現場にも影響

4/17(金) 17:41配信

帝国データバンク

 全国で日々増加が伝えられる新型コロナウイルス感染者。感染拡大の影響が建設現場にも及びはじめた。いまだ収束の兆しが一向に見えぬ状況に、今後さらに影響が広がるのではないだろうかと関係者は不安の色を隠せない。

2019年度の建設業の倒産件数は増加

 2019年度の全国企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理)は8480件(前年度比5.3%増)と2年ぶりに前年度比増加となり、建設業は1452件(前年度比5.6%増)と、こちらも2年ぶりに前年度比増加となった。

 災害復興、国土強靭化計画に加え、東京五輪を契機とした都市部の再開発など、ここ数年追い風が吹き、この世の春を謳歌してきた建設業界。倒産件数も減少傾向で推移してきた。

 しかし、同業他社との競合が激化するなか、人手不足の影響による労務費・外注費の増加に加えて、建設資材費の上昇もあり、採算が悪化し、青息吐息の中小企業が増加。特に昨年来、建設好況の波を受け、受注および売り上げを伸ばし、それに伴い従業員と借入金を増やしてきた、年商10億円前後の建設業者の信用不安情報が全国的に増えてきた印象だ。

 こうした中小企業は、受注の急速な落ち込みや不採算現場の増加などにより、歯車が一気に逆回転し、急速な資金繰り悪化から最終的に倒産という選択肢を選ばざるを得なくなる。

清水建設の衝撃、他社に追随の動きがあるのか

 建設業者の倒産が増加に転じるなか、ここに来て新型コロナウイルスが建設業界に暗い影を落としはじめた。日本での感染者の増加に伴い、今月7日の緊急事態宣言発令後の翌8日、西松建設(東証1部)がホームページ上で、施工中の現場において、発注者と協議のうえ、工事中止・現場閉所することを基本方針とする旨を発表。また9日には、東急建設(東証1部)も、顧客と協議のうえ状況に応じて柔軟に対応していくとしているが、対象地域では原則工事を中断する方針を発表した。

 そして13日には、ついにスーパーゼネコンの一角である清水建設(東証1部)が、緊急事態宣言終了までの間、宣言対象地域の作業所を原則として閉所する方針を発表した。この発表に対し建設関係者に衝撃が走った。「多くの現場を抱える清水建設の現場が止まってしまうと、その間、出来高で収入を得ていた下請け業者は、収入がゼロになる。業界の慣習で、現場が止まったからといって、その間、別のスーパーゼネコンの現場を受注するというわけにはいかない。今後、特に清水建設からの受注比率や同社の現場比率が高い下請け企業は大きな影響を受けることになるだろう」と建設関係者は力なく語る。

 3密のイメージがない建設現場だが、休憩時間などに建設作業員が集う作業員詰所は、感染リスクがあるという。「今後の悪夢のシナリオは、感染者がさらに増加し、建設現場を中断するゼネコンが増えていくこと。そして、緊急事態宣言の期間が延長することだ」と建設関係者は不安の色を隠せない。

 建設関連業者は裾野が広いだけに、多くの現場が中断することによる影響は計り知れない。コロナショックに揺れる建設業界。15日には大林組が対象地域の工事現場について、施工中断を前提に協議に入ることを発表しており、今後の各ゼネコンの対応が注目される。

最終更新:4/17(金) 17:41
帝国データバンク

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事