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新型コロナとの戦いは長期化する 専門家・臨床医が感染症学会の緊急シンポで危機感示す

4/20(月) 17:46配信

サイエンスポータル

 新型コロナウイルスの感染拡大が国の緊急事態宣言後も続いている。そうした状況の中で日本感染症学会(舘田一博理事長)が4月18日の土曜日午後、東京都港区内で「COVID-19シンポジウム-私たちの経験と英知を結集して-」と題した緊急シンポジウムを開いた。登壇者は政府専門家会議の主要メンバーや、感染拡大の初期から治療の最前線で奮闘してきた臨床医らで、危機感を背景にした現状報告や問題提起が相次いだ。この中で、新型コロナウイルスとは長期にわたって向き合わなければならず、このウイルスとの戦いは長期化する、との見解が示された。

 シンポジウムは感染防止対策のために登壇者のほか、同学会の主な関係者だけが会場に入場する形で行われた。内容はインターネット動画を通じて全国の学会会員のほか、一般にも広く公開された。国内で感染が拡大した後に第一線の臨床医や感染症研究者が感染拡大阻止を目指して一堂に会し、対策の現状や課題を体系的に報告したのは初めてだ。

地域に新設する検査センターを活用して検査増を

 シンポジウムの最初に専門家会議の副座長で地域医療機能推進機構理事長を務める尾身茂氏が登壇した。尾身氏は世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長、国立国際医療研究センター顧問などを務めている。同氏は国内のPCR検査の現状について「現在1日1万3000件実施できるキャパシティがあるはずだが、現実は1日4000から5000件にとどまっている」と述べ、現在の感染拡大実態に照らして検査数が不足しているとの認識を示した。その上で従来の検査の仕組みに加え、地域に新たに設置される検査センターと地域の診療所が連携して1日2万件程度まで検査数を増やす必要がある、と強調した。そして全国の感染症や公衆衛生の専門家に対し、都道府県知事の下、地域の感染対策のリーダーになることを呼び掛けた。

 次に専門家会議クラスター対策班の主要メンバーで、東北大学大学院医学系研究科教授の押谷仁氏が登壇した。同氏はまず「この新型コロナウイルスの制御が難しいのは軽症や無症候例が多いためだ」と断言。「感染を広げてクラスターのきっかけをつくった人の多くはせき、くしゃみや明らかな発熱はなく、主な症状はのどの痛みだった」との分析結果を示し、せきやくしゃみによる飛沫感染ではない原因でも感染を広げる可能性を示唆した。

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最終更新:4/20(月) 17:53
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