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【新型コロナ】千葉市、休校中の虐待防止へ家庭訪問 減収ストレス、高まるリスク

4/20(月) 12:25配信

千葉日報オンライン

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた長期休校で懸念されるのが児童虐待のリスク。自宅で過ごす時間が増える一方で、休業などで収入が減った親にストレスがたまるからだ。こうした中、千葉市は支援の必要がある未就学児と小中学生のいる全家庭を訪問し、安全確認を進めている。子どもにけがや異変はないかを見極め、重大事案に発展する前に芽を摘むのが狙い。専門家は「親のケアも必要」と指摘し、生活保護などの支援制度の紹介と合わせた取り組みが必要と訴える。

(報道部・渡辺翔太)

◆増えるSOS

 休校が始まった3月以降、市児童相談所には「親子げんかが増えた」などの声が複数寄せられているという。担当者は「今はSOSを受け止める学校がない。何か起きた時に逃げる方法を教えないと命を守れない」と強調する。

 関係機関でつくる市要保護児童対策地域協議会(要対協)は、育児支援の必要性を認めた子どものいる家庭に関する情報を共有。そのうち未就学児と小中学生の計約500人について、休校が5月6日まで延長されたことなどを受け、児相や区役所職員が家庭訪問を今月10日からスタートした。

 玄関先で子どもたちのけがの有無や異変を目視で確認する一方、親子双方に困ったことがないかを聞き取る。原則1人で訪問するが、状況によっては複数人が担当するケースも。

 家庭訪問は3月にも小中学生約150人を対象に実施。この時は「食事が不十分」など計7人に虐待リスクがあると判断したが、身体的虐待は確認されなかったという。今月は、不在で面会できなかった子どもたちを重点的に訪問する予定だ。

◆親のケアも必要

 元県警上席少年補導専門員で少年問題アナリストの上條理恵さんは「家庭訪問が児童虐待に一定の抑止力になる」と評価する一方で、「子どもの本音を知るには複数の職員で訪ね、親と子のそれぞれから話を聴くべき」と呼び掛ける。

 新型コロナの影響で精神的に不安定となった親のケアも必要と説くのは、市内で子どもシェルターを運営する千葉大大学院の後藤弘子教授(刑事法)。

 後藤教授は、休校や外出自粛が長引くことで「親も子もストレスを発散する場所がなくなる」と指摘。「(減収などで)不安感が強くなる親は、自尊心を回復させるため子どもに圧倒的な力の差を見せつけることもある」と警告する。

 さらに、野田市で小4女児が虐待を受け死亡した事件を例に挙げ「対応が不適切だと虐待が悪化する場合もある」と警鐘。「仕事や収入について心配事がある家庭には、生活保護やハローワークを紹介するなど支援制度につなげる取り組みを行うべき」と訴える。

最終更新:4/20(月) 15:59
千葉日報オンライン

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