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ポカリ新CMの舞台裏「計画断念」でも守ったもの 98人奇跡の自撮り 渇きを力に、できないをアイデアに

4/27(月) 7:00配信

withnews

わたしがこのCMに出会ったのは、在宅勤務中、ふとのぞいたツイッターのタイムラインでした。対面で取材ができない。自由にあちこち出かけられない。あれはだめ、これもだめと、できないことばかりを考えていた矢先、エネルギーの塊のような中高生の表情と歌声に、文字通りぐんぐん引き込まれました。大塚製薬の健康飲料「ポカリスエット」の新CMが、SNSなどで「すごい」と評判です。元はまったく違うプランだったというCM。担当者は「柔軟に変更・判断していった」と明かします。感動を呼んだCMから、想定外で困難な状況への向き合い方を考えます。(朝日新聞社会部記者・山本亮介)

【画像】「遠隔でもこんな映像が」感動を呼んだポカリのCM 部屋で一人の生徒がだんだんと……

「遠隔でもこんな映像が」

4月10日から公開された30秒のCMは、制服姿の女性が部屋で自撮りした独唱から始まります。

しばらくして、画面は9分割、25分割となり、同じように家の中やベランダなどで歌う中高生の姿が映し出され、声が重なっていきます。

その後、一人ずつ歌う動画が続き、最後に再び声が重なっていく。それはまるで別々の場所にいる若者の「合唱」のようです。

放映が始まると、SNSには様々な反応が広がりました。

「ほんとにすごい。『撮影ができない』というトラブルから生まれたはずなのに、シンプルにおしゃれでかっこいい。遠隔でもこんな映像がつくれるのだと一番乗りで証明してくれた」

「自宅待機を強いられ、集まることのできない高校生たちが『合唱』作品を作り上げる。直接的表現を避けつつ、若者の“今”を切り取る。最後みんなが外に出て空を撮る理由もCMとして鮮やか」

「当初の計画は2月下旬に断念しました」

中高生の自撮り動画をつなぎ「合唱」に仕立てた内容。元はまったく違うプランがあったそうですが、新型コロナウイルスの感染拡大で方向転換を余儀なくされました。「できない」をアイデアで越えていった今回のCMはどのように作られたのでしょうか。担当者に舞台裏を尋ねました。

――制作はいつから始まったのでしょうか。

「今回のCMの企画が始まったのは、昨年10月からです。ポカリスエットのCMでは、ブランドコンセプトである「生命力」を伝えるため、2016年からダンスを採り入れた表現を続けてきました。今年度はそれをアップデートし、『合唱』をテーマとした新たな表現にチャレンジする予定でした」


――当初はどんなプランだったのでしょうか。

「『渇きを力に変えてゆく。』というコピーがありました。合唱をテーマにどう伝えられるか検討していくうち、自分が楽しいと思うことを自由に表現し、共に歌う新しい合唱の形を『NEO合唱』と命名しました。当初、たくさんの中高生に同じ場所に集まってもらい、今年の3月中旬から撮影する予定でした」


――ところが、新型コロナウイルスの感染が世界中で広がってしまいました。

「当初の計画は2月下旬に断念しました。CM制作にかかわるすべての人の安全確保を最優先するためです」

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最終更新:4/27(月) 7:00
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