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2019年度の「不適切な会計・経理」を開示した上場企業は69社、過去最多を更新

4/24(金) 15:00配信

東京商工リサーチ

2019年度全上場企業「不適切な会計・経理の開示企業」調査

 2019年度(2019年4月-2020年3月)に「不適切な会計・経理(以下、不適切会計)」を開示した上場企業は69社(前年比27.8%増)、案件は73件(同32.7%増)だった。
 集計を開始した2008年度以降、2017年度の64社、案件数64件をそれぞれ上回り、過去最多を更新した。
 不適切会計の開示は、2008年度は27社だった。その後、増勢をたどり、2017年度に過去最多の64社を記録した。2018年度は54社と落ち着いていたが、2019年度は再び増加に転じ69社と過去最多記録を塗り替えた。2019年度に不適切会計を開示した69社の市場別では、東証1部が39社(構成比56.5%)と5割強を占めた。
 内容別では、最多が経理や会計処理ミスなどの「誤り」で28件(同38.3%)。次いで、子会社で不適切会計処理などの「粉飾」が27件(同36.9%)だった。産業別では、最多が「製造業」の30社(同43.4%)。次いで、サービス業の10社(同14.5%)と続く。
 上場大手企業の相次ぐ不適切会計の発覚で、改めてコンプライアンス意識が高まっている。また、金融庁や東証、監査法人も不適切な会計・経理を防止する体制作りを求めており、企業側の本気の体制作りが急がれる。

※本調査は、自社開示、金融庁・東京証券取引所などの公表資料を基に、上場企業、有価証券報告書提出企業を対象に「不適切な会計・経理」で過年度決算に影響が出た企業、今後影響が出る可能性を開示した企業を集計した。
※ 同一企業で調査期間内に2回内容を異にした開示の場合、社数は1社、件数は2件としてカウントした。
※業種分類は、証券コード協議会の業種分類に基づく。上場の市場は、東証1部、同2部、マザーズ、JASDAQ、名古屋1部、同2部、セントレックス、アンビシャス、福岡、Qボードを対象にした。 

◇開示企業数 2019年度は69社(73件)
 2019年度(2019年4月-2020年3月)に不適切会計を開示した上場企業は69社で、(株)MTGとすてきナイスグループ(株)、ユー・エム・シー・エレクトロニクス(株)、(株)東芝の4社は、それぞれ2件ずつ開示した。
 上場企業は国内市場の成熟から、メーカーを中心に海外市場へ売上拡大を求める動きを強めている。だが、拡大する営業網にグループ会社のガバナンス(企業統治)が徹底せず、子会社や関係会社に起因する不適切会計の開示に追い込まれる企業が増えた。また、2020年1~3月には海外・国内子会社やグループ会社の従業員による不正行為などの開示も目立った。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、国内外で在宅勤務や外出自粛が続き、在庫の確認など決算をまとめるのに必要な作業が困難となったため、2020年4月以降、上場企業では決算発表の延期が増えている。企業会計は、当然だが厳格な運用を求められる。だが、新型コロナウイルスに対する企業側の対応が遅れ、現場で会計処理を誤る事例などが生じるリスクも高まっている。

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最終更新:4/27(月) 14:37
東京商工リサーチ

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