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10ccの代表作と言えば、『オリジナル・サウンドトラック』!

4/26(日) 18:02配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回は10ccの代表作『オリジナル・サウンドトラック』を取り上げる。世代を問わず、誰もが1回は聴いたことがあるはずの「アイム・ノット・イン・ラヴ」だが、歌っていたのが誰だったのかは、意外と知られていない。もちろん、オリジナルはここで取り上げる10cc。彼らはスタジオミュージシャン出身のベテランだけに、優れた楽曲作りだけでなく演奏面でも当時のロックグループとしては抜きん出た存在であった。メンバーは4人、基本的にはグレアム・グールドマンとエリック・スチュアートの2人がポップスの王道をいく楽曲作りを手がけ、ロル・クレームとケビン・ゴドリーの2人が楽曲作りの他、ロック感覚にあふれたアレンジを手がけるという役割で活動を行なっていた。そんな10ccのオリジナリティーが玉手箱のように詰め込まれた傑作が、架空の映画音楽としてリリースされた本作だ。
※本稿は2016年に掲載

多様化を極めた70年代ロック

60年代の終わりから70年代中頃の期間は、ロックが飛躍的に進化した時代である。プログレッシブロック、カントリーロック、ハードロック、サイケデリックロック、グラムロック、サザンロックなど、ほぼ全てのスタイルがこの時期に生まれ、多くの名盤がリリースされていた。優れた作品と出会えるとあって、当時の多くの若者たち(僕も含めて)がロック三昧の日々を送っていた。

しかし、革新的なロック作品が毎日のようにリリースされると、良いことばかりではなく悪いことも起こる。世界中の若者たちがロックを支持することで、大手レコード会社は多大な利益を得て巨大化し、会社を維持するためにどんどん“売れるロック”を作り続けなければならない。その結果どういうことが起こるかと言うと、大規模の宣伝を通してリスナーを洗脳したり、映画やテレビ、一般企業等とタイアップすることで売上げを伸ばすといった、ある意味で“ロックスピリット”とは相反する営業戦略が取られることになるのである。

70年代中頃には、1千万枚単位の売上げとなるアルバムが続出するのだが、もちろんこれは前述したように大手レコード会社の商業政策によるもので、音楽性が高いから、革新的なアルバムだからという理由ではない。残念なことではあるが、レコード会社も企業である以上、大きな収益をあげるために仕方のないことではあった。

これら大レコード産業によるロックの商業化に反発したミュージシャンやリスナーらが、このあとすぐに“パンクロック”で反撃に出ることになるのだが、10ccの『オリジナル・サウンドトラック』はちょうどロックの変換期にあたる75年にリリースされたアルバムで、パンクロックが世界的に認知されるようになる、ほんの1年ほど前のことである。

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最終更新:4/26(日) 18:02
OKMusic

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