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震災を活字で残す(4月27日)

4/27(月) 10:13配信

福島民報

 南相馬市出身で福島市在住の元教諭山崎健一さんは震災と原発事故後の復興具合や避難者の状況を詳細に記してきた。「記録しなければ、記憶されない」との信念からだ。書きためたリポートが、むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞に選ばれた。

 相双地方の高校六校に勤め、世界史を教えた。生徒が歴史上の人物、年代、国や地域を覚えやすいように、独自のプリントに工夫を凝らした。イラストも得意で、黒板に世界地図を一筆書きして教室中を沸かせたこともある。今でも名物先生として慕われている。

 「3・11」の苦難に遭った教え子や友人は多い。自身も一時、川崎市で過ごした。知り合った人から被災地の現状を聞かれるたびに、一枚の紙に福島の地図を描いて説明した。避難生活の切実な声や古里への募る思いもつづり、講演したり、浜通りを案内したりする際に配った。

 リポートには「県外の人々へ伝えるために 大震災と原発事故被災の報告メモ」の題が付く。あの日から九年が過ぎ、関心が薄れつつある中、「福島を忘れてほしくない」との視点が評価を得た。山崎さんは次世代に郷土愛を伝えていく決意を新たにする。活字は生き続ける。

最終更新:4/27(月) 10:13
福島民報

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