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宮島入島税は島民らは除外、100円軸に検討 広島県廿日市市

4/27(月) 6:30配信

中国新聞デジタル

 廿日市市が、世界遺産の島・宮島への観光客たちを対象に計画する法定外目的税「入島税」について、島民と島への通勤・通学者を課税対象から外した上で、税額は1回100円にすることを軸に検討していることが26日、分かった。導入時期は今のところ2021年4月を予定する。歴史的な町並みや豊かな自然を保全する資金に充て、観光地としての質を高めたい考えだ。

 専門家たちでつくる検討委員会(市川太一委員長)が詰めの協議を進めている。関係者によると、観光客たちが島へのフェリーに乗船する際に徴収する。観光客は通常のフェリー代に100円を上乗せした額を払いチケットを買うか、交通系ICカードで決済する。フェリー事業者は「特別徴収」の形で預かった税を後日、市に納付する。島民たちはフェリー代だけを支払う。

 観光客と島民たちを区分けして徴収する方法については今後、議論を深める。ターミナルの改札の一部を改修する可能性がある。島を日常的に訪れる個人や宅配などの事業者も多いため、年数百円を一括して払えば、島に何度入っても追加税がかからない「とん税」の仕組みも検討する。

 宮島は、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で観光客が減っている。市は、文化財の保全、保護や町並みの維持など中期的な視点から入島税が必要だとして制度設計を進める一方、今後の感染の状況によって導入時期を先送りする可能性もある。

 来月にも検討委が市への答申案をまとめる方向。その後、松本太郎市長が夏までに最終決定する。市は9月にも市議会に条例案を提出したい考えだ。

 入島税を巡って市は当初「島民も含めた入域者全員」を対象とし、島民には何らかの負担軽減策をとる方針だった。総務省が「観光客からだけ徴収するのは税の公平性が保てない」としてきたことが背景にあるが、島民が負担することに一部で反対論が出ていた。

 このため検討委は、税徴収の考え方を転換。「原因者課税」という考え方に基づき、多くの人の来訪によって起こる行政負担を原因者(観光客)に求める形にする。

 <宮島の入島税>地方税法に定める税目以外で、自治体が特定の目的で独自に徴収する地方税。廿日市市は2008年に議論を始めたが、景気悪化などから断念。15年にも検討委員会を設置したが徴収コストなどから議論が棚上げになっていた。市は19年9月以降、新たな庁内組織と検討委員会を設置し、あらためて議論を進めている。

中国新聞社

最終更新:4/27(月) 6:30
中国新聞デジタル

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