ここから本文です

倉敷・夫妻殺人放火25年 時効廃止10年も膠着 捜査官「無念晴らしたい」

4/27(月) 11:48配信

山陽新聞デジタル

 殺人などの公訴時効を廃止する改正刑事訴訟法が施行されて27日で10年。継続的な捜査で容疑者の逮捕につながった事件がある一方、多くは解決の糸口を見いだせないままだ。時効成立直前に改正法が施行されて捜査続行が決まり、間もなく発生から25年となる倉敷市児島上の町の夫妻殺人放火事件もその一つ。岡山県警への情報提供は年々減少し、捜査は膠着(こうちゃく)状態が続いている。

児島・夫婦殺人放火25年 捜査本部が情報提供呼び掛け

■わずか2件

 「自分が担当しているうちに、解決に導きたい」。夫妻殺人放火事件の捜査本部が置かれている児島署に今春着任した山室浩之刑事官が力を込める。

 同事件の捜査に携わるのは初めてだが、遺族を訪ねてあいさつした際、「どうかよろしくお願いします」と声を掛けられ、気持ちが高ぶったという。「遺族の思いは25年前と何も変わっていない。何としても無念を晴らしたい」と語る。


 事件は1995年4月28日に発生した。倉敷市児島上の町の農業角南春彦さん=当時(70)=方が全焼し、焼け跡から角南さんと妻翠さん=同(66)=の遺体が見つかった。2人の体は包丁や登山用ピッケルが刺さった状態で、ともに首が切断され、頭部は持ち去られていた。

 捜査本部は、残忍な手口から犯人が強い恨みを募らせていたとみて交友関係を中心に調べ、角南さんが所有する土地や金銭を巡り数十件のトラブルを抱えていたとの情報を入手。だが、犯人に迫る有力な手掛かりは得られなかった。

 2010年4月27日、時効(15年)が数時間後に迫る中、時効廃止を柱とする改正法が成立し、異例の即日施行で捜査の継続が決まった。県警は捜査本部(16人)の人員を見直し、専従8人を含む19人に拡充。現在もこの態勢を維持し、過去に浮上した不審者や他事件との関連の洗い直しを重点に捜査している。

 これまで捜査本部に寄せられた情報は262件。03年以降は1桁台で推移し、20年はわずか2件にとどまる。このため発生25年に合わせ情報提供を呼び掛けるちらしを10年ぶりに刷新。捜査幹部は「少しでも多くの目に留まり、新たな情報につながれば」と願う。

1/2ページ

最終更新:4/27(月) 11:48
山陽新聞デジタル

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事