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院内感染拭えぬ不安 看護師「辞めるしかない」

5/2(土) 10:35配信

北海道新聞

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染患者を受け入れる道内の病院で、感染予防策が追いついていない。現場では医療従事者が不足しているが、対策が不十分なまま働くことへの不安から退職を選ぶ人もいる。院内感染が相次ぐなど過酷さは増す一方で、専門家は「感染対策を現場任せにせず、より専門的な支援を急ぐべきだ」と指摘する。

 道央のある中核病院。3月から感染患者の受け入れを始め、現在、数十人が入院する。この病院で働く30代看護師は最近、退職することを決めた。

 同病院は感染患者の専用病棟を設け、他診療科から若手や中堅の看護師約10人を招集。だが、専用病棟での担当終了後、感染症の有無を調べるPCR検査を受けずに一般病棟の担当に戻るケースがあったという。一般病棟では医療従事者の更衣室やエレベーターの使用は他と区別されておらず、子育て中のこの看護師は「家族を守らなければ…。院内感染の可能性が拭えない以上、退職するしかない」と悔しそうに話す。

 この病院では、専用病棟とは別の救急病棟にも、感染による重症患者向けの人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使う数人が入院。同じ建物には他診療科があり、共用廊下は間仕切りされているものの、救急の医療従事者が仕切りを越えて医療機器を借りることがあるという。この建物で働く若手看護師は「緊急なんだ、大丈夫と自分に言い聞かせつつも、不安はある」。

 専用病棟に看護師を招集された他診療科では負担が増している。ベテラン看護師は「発熱の症状があっても休めない。人手も予防策も足りず、医療崩壊が現実味を帯びている」と嘆く。

 道によると、道が感染患者向けに確保した病床数は4月29日現在、道内全体で約500床。このうち7割にあたる約360床が埋まっている。札幌圏を中心に院内感染が相次ぐ中、道は札幌圏以外の病院にも病床確保を依頼するが、担当者は「感染管理の専門職員がいない病院もある」と悩む。

最終更新:5/2(土) 16:53
北海道新聞

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