新型コロナウイルス感染拡大の影響で大学生の学費負担が議論される中、早稲田大学の田中愛治総長の発言が話題です。全学生を対象とした学費の一律減額を認めない理由として「学費は、卒業までにかかる施設維持費用の分割負担」と説明。経済的に困窮する学生には、別途、支援策を講じるという考え方が議論を呼んでいます。(北林慎也)
【イラスト】全国40大学を擬人化 京大=変人、一橋=リアリスト、慶応=イケメン、早稲田は……
コロナ禍の影響で、家計収入が減ったりバイトがなくなったりする学生が全国的に増えていて、大学側に学費の減免を求める声が高まっています。
これを受けて早稲田大学の田中愛治総長は5月5日、「学費に関する考え方について」と題したコメントを発表しました。
大学トップ自ら、このような見解を学内外に向けて表明するのは異例です。
コメントの中で田中総長は、「学費および実験実習料の減額をいたしません」と表明。そして、学費の位置づけをこう説明しています。
「大学の学費は、4年間もしくは2年間・3~6年間の教育に対して、必要とされる総額を年数で等分して納めていただいているものなのです」
「何年度の入学生に、どの建物の費用をご負担いただく、というものではありませんので、どの年度に入学された方にでも、同じように学費をいただいております」
つまり、卒業あるいは学位の授与までにかかる費用をトータルで計上し、それを分割で納付するが学費、ということです。
そのため逆に、リモート授業実施で今年度に多額の設備投資をしたものの、この一時的な大学の支出増については今年度の在籍学生だけの負担とはしない、とも述べています。
「そうした費用を今年度の学費に上乗せしないのが、大学の学費のあり方です。大学の学費とは、皆さんが入学してから卒業・修了するため教育・研究にかかる費用を数年間の学費として平準化して納めていただいているという性質を持つのです」
そのうえで田中総長は、「経済的に困窮している学生への緊急支援策について」とするコメントも同日に発表しました。
家計が困窮する学生を対象に、「緊急支援金」10万円の給付や、奨学金の受給範囲の拡大、オンライン授業に必要な機材を貸し出すなどの支援策を明らかにしています。
そして、この支援策が「全ての学生を対象にしない理由」も説明。創立者である大隈重信公の考えに従ったといいます。
「早稲田大学に集う学生は、自分自身、自分の家、そして自分の国という自己利益だけを考えず、世界の人々のために貢献してもらいたい、という願いが込められています。大隈侯は、大学教育を通じて、利他の精神を培うことを期待していたのです」
最終更新:5/9(土) 11:40
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