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夜の街、続く休業要請 「これ以上休めない」再開も

5/13(水) 8:07配信

熊本日日新聞

 「生活のために店を開ける」-。新型コロナウイルス特別措置法に基づく県の休業要請が緩和される中、20日まで要請が延長された客の接待を伴うスナックやバー、ナイトクラブなどでは、大半の店舗で休業が続く一方、営業再開に踏み切る店もある。人影もまばらな熊本市中心部の繁華街を歩いた。

11日午後9時ごろ。同市中央区の西銀座通りや栄通りは、通常なら居酒屋などのはしご客が行き交う時間帯にもかかわらず、閑散としていた。雑居ビルの入り口に立つ呼び込みの飲食店従業員らも手持ち無沙汰の様子。スナック名がずらりと並んだビルの看板にネオンはともっていても、中に入ると店のドアには「臨時休業中」と書かれた張り紙が目立った。

 スナックやバーなど約700店が加盟する県社交飲食業生活衛生同業組合の中島ヒロ子理事長は「加盟店はほとんどが休業を続けている。どこも疲弊し切っており、この状況が長引けば業界全体が持つかどうか分からない」と嘆く。

 政府は、新型コロナ感染が抑制されているとして熊本など34県での社会経済活動を一部容認。その流れを受けて、県は大型連休明けの7日と11日、感染防止対策の徹底を条件に一部の遊興・遊技施設も含めて休業要請を緩和した。飲食店に求めていた「時短」営業も11日に解除した。

 県内を覆う緩和ムードもあってか、市中心部では11日夜に営業中の店舗も。スナックを営む女性(70)は7日に再開したといい、「感染は怖いけど、これ以上休めば生活が成り立たない」。別のスナックでは、開けっ放しのドアからカラオケを楽しむ男性の大きな歌声が漏れてきた。

 11日に再開したカラオケ設備のあるダイニングバーの男性従業員も「飛び込み客は来ないが、常連の1組から予約はある。席を離して窓も開けて営業する」と話した。

 休業要請の緩和対象に関する県の発表を巡っては、一部混乱が生じた。5日の時点でスナックやバーは「11日から再開可能」としていたが、2日後に「風営法の許可を得て接待を伴う営業をしている店が相当数ある」(県健康危機管理課)と一転。風営法の社交飲食店の営業許可を得ている店舗は「要請延長」と改めた。再開可能な店も、カラオケは使わないことを条件としている。

 熊日の「SNSこちら編集局」には、八代市のスナック経営女性(50代)から「一度は11日再開の準備を整えたのに…」との恨み節も寄せられた。店を開けないと収入は途絶えたまま。だが結局、女性は休業要請延長を受け入れた。「店の信頼を考えるとやむを得ない。20日までの予約は、全部キャンセルです」と苦しい胸の内を明かした。(内田裕之)

最終更新:5/13(水) 8:07
熊本日日新聞

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