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その消毒液、何用ですか?新型コロナ対策で知っておきたい、正しい「消毒」の作法

5/13(水) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

一部の地域では緊急事態宣言の解除が検討されているものの、依然として新型コロナウイルスの感染予防には気を抜けない。

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予防には、徹底した手洗いとともに、手指の消毒が重要だ。

しかし、消毒液の種類はさまざま。中には使用法を誤ると健康を害するものもある。

ドラッグストアに並ぶ商品の中からいったいどれを選べば良いのか。獨協医科大学医学部公衆衛生学講座の小橋元教授に、正しい消毒の方法や消毒液の選び方について聞いた。

消毒とは、ウイルスの膜を壊して機能を失わせること

感染症を引き起こす原因はウイルスや細菌。ただし、この2つは全く異なる存在だ。

細菌は細胞をもつ生き物であり、栄養があれば自然に細胞分裂をして増殖していく。これらの細菌を殺すために使われるのが抗生物質や抗菌剤だ。

一方で、ウイルスは細胞を持たない。ウイルスが増殖するには、人や動物などの細胞(宿主)が不可欠である。

ウイルスは細胞に侵入し、細胞の機能を利用して増殖する。感染した細胞が死滅した際などに、増殖したウイルスが細胞の外に放出され、ほかの細胞に入り込み、そこで再び増殖することをくりかえす。ウイルスは細菌ではないので、抗生物質や抗菌剤は効かない。

新型コロナウイルスは、遺伝情報をもつRNAが「カプシド」と呼ばれるたんぱく質の「殻」と、その外側にある「エンベロープ」と呼ばれる脂質性の膜に囲まれた構造をもっている。

「消毒」とは、ウイルスのこのような構造を破壊することをいう。

「アルコール」での手指消毒は全体によくなじませて

消毒液として最も一般的なものは、アルコールだろう。

アルコールには何種類かあるが、消毒に使うのはエタノール(エチルアルコール)だ。

アルコールは手指の消毒に有効だが、けがをしているところや目などの粘膜がある部位の消毒には使えない。また、スプレータイプのエタノールは、目に入ったり、引火して火災が発生したりする恐れがあるので使用に注意してほしい。

消毒用のエタノールの濃度は70~80%が最適だ。北里大学大村智記念研究所の片山和彦教授らの研究で、エタノールは50%以上の濃度であれば1分間程度で新型コロナウイルスの感染性を失わせる(不活性化させる)ことが可能という研究結果が発表された。濃度が100%に近づきすぎたり、65%以下になったりすると効果は薄くなる。

「エタノールにはウイルスを不活化させるまで液体の状態でその場にとどまってもらいたいのですが、濃度が100%だとすぐに気化してしまい、消毒効果が弱まるのです。手指の消毒に70~80%のエタノールを使う際にもよく全体になじませて使うことが大切で、水でぬれたままの手に使わないことも大切です(部分的に濃度が下がり効果が薄くなる)」(小橋教授)

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最終更新:5/13(水) 16:37
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