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民放にはマネできない? NHK「テレワークドラマ」の深~い楽しみ

5/13(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 果敢な取り組みに、賛辞を送った視聴者も多かったようだ。5月4、5、8日に放送されたNHKの新作ドラマの話。そのまんま「今だから、新作ドラマ作ってみました」と名付けられたシリーズで、1話完結の30分ドラマを3本放送した。

 4日は満島真之介(30)と前田亜季(34)出演の「心はホノルル、彼にはピーナツバター」。5日は小日向文世(66)と竹下景子(66)の「さよならMyWay!!!」。そして8日は柴咲コウ(38)、ムロツヨシ(44)、高橋一生(39)と、2017年放送の大河ドラマ「女城主 直虎」の出演メンバー再集結の「転・コウ・生」が放送された。

 この「今だから--」シリーズ、打ち合わせやリハーサル、本番収録も、直接会わずに作られた、前代未聞の“テレワークドラマ”。「コロナ禍の中でも停滞するのではなく、前進する」という、制作サイドの強い決意が現れた作品だ。

「携帯カメラと小さなマイク、そして三脚だけで撮影されたドラマがNHKで放送される時代になるとは……業界関係者としては驚きしかありません。でもその一方で、われわれにはまだまだできることがある、意気消沈している場合じゃないと意欲が湧き上がったことは確かです」(ドラマ制作会社スタッフ)

 ネット上の反響も上々で、〈舞台を見ているみたいな会話劇。面白かった〉〈直虎メンバーの集結うれしい〉〈今の状況をそのまま切り取った内容で、親近感あった〉などの声がある。

 芸能ライターのエリザベス松本氏は「2作品はファンタジー。たった30分間だけでも別世界へと連れ出してくれる……倦(う)んでしまいがちなこの現状だからこその選択だと感じました」と、こう続ける。

「特に『さよならMyWay!!!』に出演されたベテランお2人の演技は秀逸でしたね。小日向さんが達者なのは言うまでもありませんが、お相手の竹下さんのユーモラスでチャーミングなことといったら! たった2人しか出演しない会話劇だったからこそ、竹下さんのお芝居をじっくりと楽しむことができた。大げさな展開や演出が望めないため、この手法を“退屈”と感じる人もいるでしょうけれど、俳優さんたちの演技を堪能する絶好のチャンスだと私は捉えました」

 ドラマに出演した俳優陣は皆、ヘアメイクを自分で行い、衣装や小道具も自前で準備。さらに、カメラ位置のセッティングから、録画ボタンを押すのも俳優自らが行ったという。

「他局も真似したいところでしょうが、民放の場合は何と言ってもスポンサーの意向が大きい。それだけに、NHKのようにすんなりと話が進むかどうかは難しいところかと」(前出のドラマ制作会社スタッフ)

「なんでもいいから、芝居がしたい!」というのは、自宅待機を強いられている俳優たちの共通の思いだろう。今後民放もこの手法に倣い、第2、第3のリモートドラマが生れることとなるのかどうか。視聴者の期待も高まるところだ。

最終更新:5/13(水) 10:58
日刊ゲンダイDIGITAL

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