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DX推進は誰が「主役」か 調査で明らかになった“最強部門”とその仕事ぶり

5/13(水) 8:30配信

ITmedia エンタープライズ

 DXのプロジェクトでお客さまを訪問すると、さまざまな部門の方が出てこられます。これまでの一般的なITのプロジェクトであればIT部門の方々との面談がメインであり、まれにエンドユーザー側の事業部の方たちが参加していました。しかしDXプロジェクトは少し様子が異なります。IT部門に加え、事業部門や新設のDX推進部門、経営企画部門、総務部門、新しい技術を評価するためにR&D部門の方などが参加されます。まさにDXは社を挙げてのプロジェクトであると言えるでしょう。これは私のIT業界での長い経験でもめったにないことであり、DXは産業革命4.0と呼ばれるほど重要であることが実感できます。

経営企画部が役割を果たしている業務《クリックで拡大》

 一昔前のeビジネスなどのIT革命や、SIS(Strategic Information System)と呼ばれた戦略的情報システム革命など、全社に渡るプロジェクトの場合には現在のDXと同じように参加者の所属部門が多岐にわたることがありました。社長やIT部門の担当ではない重役が旗振り役の時もありましたが、推進部門の中心は当時情報システム部門と呼ばれたIT部門です。ほとんどの場合、ITベンダーがコンタクトする先はIT部門でした。しかし、DXのプロジェクトはIT部門以外の部門がカウンターパートになることも少なくありません。これは、IT業界ではとても珍しいことです。

 そこでDX進捗が進む企業においてはDXプロジェクトの推進部門との因果関係が見いだせるのではないかと考え、今回の「DX動向調査」(注1)の項目に追加いたしました。


※注1:「DX動向調査」(調査期間:2019年12月1?31日、調査対象:従業員数1000人以上の企業、調査方法:オンラインアンケート、有効回答数:479件)。

DX主管部門のダークホースは経営企画部門

 調査では「DXの推進部署はどちらですか」という質問に対し、「DX専門推進部門」「IT部門」「経営企画部門」「事業部門」「情報系子会社」「臨時プロジェクトチーム」「その他」の中より回答を選んでもらいました。そして、「デジタルリーダー」「デジタル導入企業」といったDX進捗企業(注2)の主幹部門を調べたのです。

 その結果、現在のDX推進部門で先頭を走っているのが経営企画部門であり、実に37.5%ということが判明しました。次いで、DX専門推進部門が31.3%、IT部門が25.0%と続きます。

※注2:「デジタルリーダー」「デジタル導入企業」の定義は本連載第1回「44.1%の企業がDXのPoCフェーズ、日本企業は「DX夜明け前」なのか?」で解説しています。

 今回の調査では事前の予想を覆すことがいくつかありましたが、この結果もその一つです。今までも大規模なITプロジェクトでは経営企画部の方が参加されることはありました。しかし、プロジェクト開始の最初の段階で会社の上位方針とのアラインメントを確認した後は、経営企画部の方はミーティングにほとんど出てこなくなります。経営企画部の方と仕事で常時連携することはありませんでした。そのため、IT系のプロジェクトで経営企画部門の方がリーダーシップ取るのは想定外であり、非常に驚いたのです。

 私の中での経営企画部のイメージは、年に1~2回の中期経営計画の見直しや立案の時に登場し、テキパキ指示して計画立案しているというものです。経営層の知恵袋として経営戦略を担当する部門といえるでしょう。優れた経営企画部員のナレッジやスキルは、経営学全般や財務、オペレーション、企業法務など幅広い企業マネジメント全般に及びます。やはり、経営企画部はビジネスエリートが集う部門であることを実感する次第です。時として「経営企画部は業務自体が形骸化しており、会社をネガティブな方向に持っていく」などと警鐘を鳴らす本もありますが、それだけ、注目を集める会社の花形部門ということなのでしょう。

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最終更新:5/13(水) 8:30
ITmedia エンタープライズ

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