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コロナで景気悪化も株高 緩和策受け思惑、経済再開先取り

5/13(水) 7:30配信

時事通信

 新型コロナウイルスのまん延により、世界的な景気悪化が鮮明だ。ただ、日経平均株価は3月に1万6300円台の最安値を付けた後、約4000円上昇して2万円台を回復。世界の主要株価指数が軒並み値上がりするなど、経済の実態とかけ離れた動きになっている。

 ―不景気でも株が買われる理由は。

 株式市場では「不景気の株高」という言葉がある。「今の景気は悪いが、政府の経済対策により先々は景気が良くなる」という期待感から株が買われる現象を示す。新型コロナの感染拡大を引き金に、2月以降の世界的な株安といった金融市場の混乱を受けて、主要国は企業支援など大胆な財政出動を相次いで打ち出した。また、日銀や米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめ各中央銀行も金融緩和策で大量の資金を供給するとともに、社債を買い入れるなどして企業の資金繰りを側面支援する姿勢を示した。

 ―経済対策の効果は出ているのか。

 新型コロナの影響で停滞した企業活動はまだ本格的には再開していない。日本の4~6月期実質GDP(国内総生産)は1~3月期に続いてマイナス成長に陥るとの予想が多い。ただ、資金繰り不安が和らいだことで、換金できる資産は何でも売る、といったパニック的な状況はひとまず収まった。緩和策により余った大量のお金が投資に回るとの思惑は、株式市場での買いを急がせた要因の一つだろう。

 ―他に株価上昇の要因はあるのか。

 欧米中心に都市封鎖を徐々に解除して経済活動を再開する動きが広がり、投資家心理は上向いている。緩和策に伴う潤沢な資金も手伝い、投資家は「コロナがこのまま収束に向かい、企業生産活動も消費も元に戻る」というシナリオを先取りして動いている。

 ―不安材料はないのか。

 新型コロナの影響で豪航空2位のヴァージン・オーストラリアや米高級百貨店ニーマン・マーカス・グループなど有名企業の破綻が起きている。モノやサービスを生み出す企業が減ってしまうと、コロナが収束しても景気回復に時間がかかる可能性がある。経済活動を再開すれば、人と人との接触が増えて「感染第2波」が押し寄せ、再び都市封鎖に追い込まれる恐れもある。当面、感染者数の推移に株価は敏感にならざるを得ないだろう。

最終更新:5/13(水) 7:40
時事通信

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