ここから本文です

【矢作芳人調教師 信は力なり】ピンチをいかにチャンスに変えるか

5/13(水) 13:14配信

サンケイスポーツ

 調教師として、経営者として常に考えていることがある。「ピンチをいかにチャンスに変えるか」。今は社会全体として、競馬社会として、それを考えるべき時だ。

 厳しい現状の中で、競馬界にとって唯一の光明は、ネット投票加入者の増加であろう。多くの方が在宅で競馬を楽しんでいる現状では、競馬を中継してくれている民放局にももちろん頑張ってほしいが、無料放送しているグリーンチャンネルの中継を充実させ、1人でも多くの方に継続的な競馬ファンになってもらうことが肝要である。

 そのためには、旧態依然たる中継では駄目だ。競馬をもっと魅力的に伝えるやり方は、いくらでもある。ゼッケンにGPSを着けて道中の細かな位置取りや各馬の走行距離、最高スピードなどを表示する。ヘルメットにカメラを取り付けた騎手目線での映像。ドローンからの映像。GIレース後の騎手への馬上インタビュー(1馬幅ほど間隔を取れば、濃厚接触にはならない)。

 安全を担保することは当然だが、どれも諸外国ですでに行われている企画であり、大きな問題はないと思う。要は、やるかやらないかだけだ。こんな時期に新たな企画なんて…というような同調圧力に屈せず、やり遂げてこそ競馬開催の存在意義も高まるのである。競馬の未来のために、ぜひとも考えてほしい。

 NHKマイルCのサトノインプレッサは、非常に残念な結果となり、応援してくれた皆さんには申し訳なく思っている。しかし当日は極端な内有利、先行馬有利の馬場状態であり、完全な力負けとは思っていない。毎日杯の後は大きくレースのダメージが残ったが、今回はそれほどでなくひと安心。それを受けて、競馬の祭典・日本ダービーに向かうことが決まった。鞍上はオーナーのご理解もあり、厩舎所属の坂井瑠星を配する。気後れなく思い切った騎乗でコントレイルや他の強豪たちに立ち向かってほしいと期待している。

 最後になったが、無観客競馬のむなしさの中で、パドックを美しく飾る花に癒されている。素晴らしいアイデアだと思う。各競馬場担当者の方々に敬意を表したい。

■矢作芳人(やはぎ・よしと) 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの59歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。東大合格者を多数輩出する開成高を卒業後、豪州で修業し、84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に調教師として厩舎開業。JRA賞は14、16年に最多勝利調教師、19年に最多賞金獲得調教師を獲得。12日現在、JRA通算647勝。JRA重賞はGI11勝を含む42勝。他に海外GI2勝。

最終更新:5/13(水) 13:14
サンケイスポーツ

こんな記事も読まれています

スポーツナビ 競馬情報

重賞ピックアップ

あなたにおすすめの記事