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欧米でも「新たな日常」 コロナ禍で巣ごもり生活に知恵絞る

5/13(水) 16:36配信

産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「巣ごもり」生活は、世界各地で新しいライフスタイルを生み出している。2008年のリーマンショック後の経済状態を意味した「ニューノーマル(新常態)」という言葉はいまや、知恵を絞ってコロナ禍を乗り切る「新たな日常」を指すものとして定着しつつある。(ロンドン 板東和正、ワシントン 住井亨介)

■運動、数独

 欧州諸国では、国民がインターネットを通じてエクササイズを学んだり、芸術作品を鑑賞したりしながら、外出制限下の生活を乗り切っている。

 英国人のフィットネス専門家、ジョー・ウィックスさんは英政府が外出制限を開始した3月23日から、子供向けに体操を教える動画をユーチューブで公開している。平日午前9時から約30分間行うライブ配信は英国内を中心に話題を集め、視聴者は数百万人に上る。

 人気の秘訣(ひけつ)は、動物の動きなどに例えながら室内でできる運動を実演する分かりやすさ。小学生の長男と一緒に動画を視聴しているというロンドンの主婦、エミリー・ワトソンさん(34)は「子供が自宅の居間で体操することが日課になった」と話す。

 また、外出制限下で脳の老化が進むことへの懸念から、数字のパズルゲーム「数独」に熱中する英国民も増えた。新型コロナに感染したジョンソン英首相も療養中に数独を解いていたことが知られる。

■アートで後世に

 芸術作品のオンライン鑑賞もブームになっている。大英博物館は公式サイトで190万点以上の所蔵品の画像を無料公開。画像は拡大して細部まで閲覧できる仕組みだ。パリの国立シャイヨー劇場はこれまでの公演の映像を配信している。

 イタリアやスペインなどの芸術家が新型コロナ問題を後世に伝えるため、外出制限下の生活を表現したアート作品をSNSに投稿。同様の活動は市民にも広がり、写真共有アプリ「インスタグラム」で1千以上の作品が公開されている。

 ロンドン博物館も、新型コロナに影響を受けた英国の生活の記録を残すために資料や証言を集めており、国民に協力を呼びかけている。ロンドンに住む建設業の男性(45)は「外出制限下の生活は苦しいが、歴史に残る貴重な体験でもある。子孫のためにこの体験を伝えたい」と話す。

■料理、片付けもブーム

 米国ではインターネットを通じたエンターテインメントの配信のほか、料理や片付けがひそかなブームとなっているようだ。

 米メディアによると、メリーランド大の学生が新型コロナ拡大の影響で公演が中止となった演劇を、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使って行い、ネット上で配信した。役者はそれぞれが自宅から“生出演”し、斬新な試みとして注目された。ズームは、休校が続く教育現場のほか、日本でも流行している「オンライン飲み会」にも活用される。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が「自宅待機中の簡単料理レシピ」を掲載するなど、料理熱も高まっている。特にパン作りが人気で、小麦粉やパンだねのイーストが不足。NBCテレビは、独自の代替品でパン作りに取り組む人々を紹介した。

 この機に不用品の片付けに夢中になる人も多いようだ。米紙ワシントン・ポストは、片付けコンサルタントとして米国でも人気の近藤麻理恵さんを特集。衣類のほか冷蔵庫の片付け方を指南しつつ、「私たちは働き方を見つめ直す貴重な機会を持った」とする近藤さんの言葉を紹介している。

最終更新:5/13(水) 20:58
産経新聞

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