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「僕らの世代はラッキー」中村七之助が語った歌舞伎役者としての本懐:インタビュー

5/13(水) 7:02配信

MusicVoice

 3年ぶり、6回目の開催となるはずだった赤坂大歌舞伎。今回は『怪談 牡丹燈籠』を上演する予定だったが新型コロナウイルス感染症拡大の影響で全公演中止となった。18代目中村勘三郎の遺志を継いで本シリーズを続けてきた中村勘九郎、中村七之助兄弟。中止決定前、七之助はインタビューで本作や歌舞伎への思いを語っていた。※取材は2月実施。【取材・撮影=木村武雄】

良いカンパニー

 三遊亭圓朝の傑作落語。昨年放送されたドラマ版『令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear』(NHK BSプレミアム)では萩原新三郎役を務めたが、本作ではお露、お国、お峰の3役を演じる予定だった。

 「お国は闇があり妖艶な女性、お露は真っすぐな娘、お峰は人間くさい女性と全く異なります。演じて面白そうなのはお国とお峰でしょう。立場は違いますが、2人とも生きることに一生懸命で手段を選ばないところは演じていて面白いと思います。一方でお露は異質かもしれませんね。一本気の性格もあり説得力が大事だと思います。何もしないでお嬢様ということを表現しなければなりませんから大変だと思います」

 脚本・演出はドラマ版でも手掛けた源孝志。「ドラマの方は因果因縁の深さが出ていて面白いと思いました。男女関係だけでなく、親子や師弟関係などが入り乱れているところにエンターテインメント性を感じました」

 現代作品を手掛ける源との“作品づくり”は楽しみでもあった。「僕たちが無意識にやっている歌舞伎の手法が当たり前ではないこともあると思います。改めてそうしたところを見つける機会になると思います」

 その象徴として劇中にある、恋するあまりに病になり亡くなる「焦がれ死に」がある。ドラマではお露役の上白石萌音が芝居をもって表現してみせたが、歌舞伎ではもともと文章のみ。「それをどう見せるかが楽しみです。表現するなら舞踊なのかどうか」。歌舞伎には感情を表現する踊りが多くあるという。「表現方法としては幅があります。嘘だろと思う所も納得させることができます。それは歌舞伎のすごいところです」

 本作では7年ぶりに中村獅童が参加する予定だった。

 「TBS赤坂ACTシアターはいろんなチャレンジをできる、父が残した宝物です。古典もできますし新作もできます。3年前には新作『夢幻恋双紙~赤目の転生~』もやらせて頂きました。そういう所もありまして『怪談 牡丹燈籠』がいつもとは違うものとして楽しんで頂けるのではないかと楽しみ。獅童さんと兄・勘九郎とは長年いろんなものを作ってきたツーカーの仲。それに、源監督と獅童さんは『スローな武士にしてくれ~京都 撮影所ラプソディー~』でもご一緒になさっていて慕っている。ともて良いカンパニーだと思います」

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最終更新:5/13(水) 7:27
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