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島根原発の放射性廃棄物の巡視、計32日間実施せず 松江市や島根県は立ち入り調査実施へ

5/13(水) 18:15配信

中国新聞デジタル

 中国電力は13日、島根原発(松江市鹿島町)にある低レベル放射性廃棄物の一時的な保管などに使う「サイトバンカ建物」で、協力会社の社員が法定の巡視を怠っていた問題で、2002年度以降、8人が計32日、巡視をしていなかったと発表した。いずれも虚偽の報告をしており、同日、原子力規制委員会は原子炉等規制法に基づく保安規定違反(監視)と判定した。

 中電島根原子力本部によると、8人は巡視業務を受託する中電プラント(広島市南区)の社員。うち20代男性が20年2月に巡視を怠っていた不正が発覚したのを受け、調査していた。

 8人とも法令で1日1回以上の実施が義務付けられている巡視を怠り、放射線管理区域内に入っていないのに異常がないと確認したと虚偽の報告をしていた。建物内の機器が稼働していない土日祝日に限られ、04~19年度の間に年数日程度繰り返されていたという。

 同本部は、社員が「動いている機器が少なく、問題は起きないと思った」「他の業務に時間を取られた」などと話しており、組織ぐるみの違反ではないとする。巡視を怠った日に設備の異常はなかったという。(松本大典)

 松江市内で会見した長谷川千晃副本部長は「安全に対する意識を十分徹底できていなかった」と陳謝。巡視状況の写真撮影を義務付けるなど再発防止策を今月内にもまとめるとした。

 原子力規制委は「事象が見過ごされてきたのは、中電の委託業務管理上の欠陥」と指摘。改善状況を監視する。

 松江市の松浦正敬市長と島根県の丸山達也知事は、中電との安全協定に基づく立ち入り調査を実施する考えを示した。

 中電からの報告を受けてそれぞれコメントを発表。松浦市長は2010年の島根原発の点検不備問題に触れ、「再発防止対策などの取り組みの中で、このような事案が見過ごされてきたのは極めて遺憾。これまでの取り組みの効果にも疑念を抱かせる」と非難。丸山知事も「信頼を損なうものだ」と指摘した。

 鳥取県の平井伸治知事も同日、「虚偽報告が繰り返される異常事態で、近時、保安規定違反が重なってきている」と憤りを表明。米子、境港両市長と連名で、第三者機関による原因究明や対応状況の積極的な情報公開などを中電に文書で申し入れた。

中国新聞社

最終更新:5/13(水) 21:30
中国新聞デジタル

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