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サマーズ元米財務長官、お金の問題は「プライバシーがあり過ぎること」【Consensus: Distributed】

5/13(水) 10:30配信

CoinDesk Japan

ローレンス・サマーズ元米財務長官は、政府が発行する通貨には「プライバシーがあり過ぎるのかもしれない」と述べ、マネーロンダリングの蔓延、汚職で手に入れたお金の保管や移動に広く使われていることを指摘した。

トレーサビリティはメリット

「今、我々がお金について抱えている問題は、あまりにも多くのプライバシーが関連していると思う」とサマーズ氏は5月11日、米CoinDeskのバーチャルカンファレンス「Consensus: Distributed」で語った。

「法外な額の脱税、汚職や麻薬取引にまつわる数兆ドル規模のマネーロンダリングにおいて、政府の政策の最も望ましくない目的は、大規模な金融取引に関して匿名性を推進することだ」

暗号資産(仮想通貨)コミュニティや他のコミュニティーにおいて、多くの人はお金のデジタル化と物理的な現金の排除はジョージ・オーウェルが描いたような監視国家につながると懸念しているが、サマーズ氏はトレーサビリティ(追跡可能性)は欠陥ではなく、メリットと率直に主張した。

中央銀行がデジタル通貨を発行する理由があるとすれば、「それは逆のこと」と同氏は述べた。

「大規模なプレーヤーと小規模なプレーヤーの間の競技場を平準化し、匿名の金融がはびこることをより困難にすること。すべての重要な自由の中で、数百万ドルの取引を匿名で行う能力は、最も重要ではない自由の1つだ」

プライバシーへの懸念も

サマーズ氏の発言は、欧州中央銀行(ECB)のイブ・メルシュ(Yves Mersch)専務理事の姿勢とは対照的だ。メルシュ氏は同じ日の基調講演で、デジタル通貨について一部の人が持つプライバシー上の懸念に共感を示した。

「トークンベースのデジタル通貨は完全な匿名性を保証しないかもしれないという意見もある。仮にそれが事実であることが証明されると、社会的、政治的、法的な問題が必然的に浮かびあがることになる」とメルシュ専務理事は述べた。

しかしサマーズ氏にとって、政府の認可を受けた匿名のデジタル通貨は、1970年代以降の金融犯罪への取り組みにおいて政府が遂げてきた前進を損なうことになる。

「金融コミュニティーの功績の1つは、銀行の秘密主義をめぐる問題についてある程度の進展が見られたことであり、主権的な収益を得るための取り組みにおいて一部の国々において後退するとしたら、あるいは匿名の価値の保管手段を提供することによって競争に加わることになるとしたら、悲劇的なことだと思う」とサマーズ氏は語った。

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最終更新:5/13(水) 11:54
CoinDesk Japan

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