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持続化給付金、ネット申請のみ 高齢事業者「できん」相談殺到

5/13(水) 7:29配信

岐阜新聞Web

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入が半減した個人事業主に最大100万円を支給する国の「持続化給付金」のインターネットによる電子申請が1日から始まり、パソコンやスマートフォンに不慣れな一部の高齢事業者が申請できない事態に陥っている。経済産業省は電子申請が困難な事業者向けの「申請サポート会場」を5月末までに全国で400カ所以上設置する方針だが、12日時点で開設したのは東京都八王子市の商工会議所など4カ所のみ。電話窓口のコールセンターもつながりにくいため、身近な相談先の商工会などに問い合わせが殺到している。

 「パソコンもスマホも持っていない。自力ではどうにもならん」。岐阜県下呂市金山町の和菓子店「餅倖(もちこう)」の経営者大岡佳さん(78)は給付金の申請方法に憤る。

 給付金は申請から2週間程度で現金が手元に届くため、当面の資金繰り対策として期待したが、申請はオンラインのみ。家族にパソコンやスマホを持つ人はなく、早期の申請を諦めた。休業要請に伴う県の協力金50万円も支給の対象外で、国や県の支援策からは外れている。

 店舗は、路地裏を散策する「筋骨(きんこつ)めぐり」の観光客が立ち寄る人気スポットだったが、新型コロナの影響で客足が途絶えた。地域の祭りは中止が相次ぎ、餅まき用の商品の注文も消えた。4月の売り上げは大幅に減り、国が国民に10万円を配る「特別定額給付金」を経費支払いの当てにする日々だ。「店を開けていても客はゼロ。この状態が続けば店がつぶれてしまう」と苦しい胸の内を明かす。

 県商工会連合会によると、5月1日以降は県内の42商工会に1日当たり計100件程度の相談があり、給付金に関する問い合わせが増えている。担当者は「国のコールセンターがつながらず、各商工会で電話を受けることが多い」と話す。

 金山町商工会(下呂市)は大型連休中の4~6日に休日相談窓口を設け、約50件の相談を受けた。「インターネットでの申請の仕方が分からない」といった内容も相次いでおり、担当者は「地方は70代以上の事業主が多く、融資を受けるくらいなら廃業を選ぶ人もいる。このままでは地方の街の明かりが消えてしまう」と危惧する。

 一方、各商工会もどこまで相談に対応すべきか頭を悩ませる。給付金の問い合わせ窓口は国の設置する申請サポート会場だが、設置場所すら未定。経営指導員の一人は「相談されてもサポート会場の設置を待ってもらっている状態。目の前で困っている事業者を助けられないのは歯がゆい」と悔しさをにじませる。サポート会場は各都道府県に1カ所以上となっているが、「高齢者は遠方に行くのも難しい。国は身近な場所にサポート会場を設けてほしい」と訴える。

岐阜新聞社

最終更新:5/13(水) 7:29
岐阜新聞Web

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