ここから本文です

発熱で搭乗拒否「乱暴だ」 沖縄知事の提案に業界は疑問の声

5/13(水) 13:40配信

沖縄タイムス

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、玉城デニー知事が、全国知事会で航空会社による体調不良者の搭乗拒否が可能となるよう法整備を提案したことに、航空関係者や観光業界からは疑問の声が上がっている。他県からの主な移動手段は航空路のため、全国の空港で出発時の水際対策を強化する意図には多数が賛同する。ただ、発熱者や体調不良者が感染症患者と判断するのは困難。「補償や無症状者の対応など、詰めが甘い」と批判の声もある。(政経部・川野百合子)

 ■マニュアル

 多くの航空会社は運送約款で、感染症や感染症の疑いがある場合は搭乗を拒否できるという内容の条項を定める。また航空法や規則、省令などに基づき、インフルエンザ患者やはしかなど、病気に応じたきめ細かなマニュアルを作成して搭乗が可能な時期や確認手順などを決めている。

 それだけに、発熱などによる体調不良者への搭乗拒否の法整備を求める提案は「一律に搭乗拒否というのは乱暴だ」と困惑の声が上がる。

 ある航空関係者は「国が決めれば従わざるを得ないが、国際線は入国拒否になるのか、LCC(格安航空会社)にも同様の対応を求めるのかなど課題は多い」と指摘。「国が37・5度という基準すらなくし、確からしいエビデンスがない状態で航空会社が判断するのは不可能だろう」と話す。

 ■イメージ悪化

 また別の関係者は「搭乗を断った場合の補償はどうするのか。感染症でないのに断られたとなると、沖縄観光へのイメージ悪化も招きかねない」と懸念する。

 県は「沖縄だけでなく、全国的に出発前の移動防止が可能になり、水際対策の強化になる」と意義を強調する。

 ただ、航空関係者以外からも疑問の声はある。あるホテル関係者は「観光業全体として『観光客=市民生活を脅かす敵』という構図が強調される風潮に危機感を感じる」と吐露。「世界的に物や人が往来する中で、観光客だけを止めればいいレベルではない。コロナ収束後も別の感染症が入ってくる可能性はある。真の意味での危機管理体制を構築して冷静に対応しなければいけない」と語った。

最終更新:5/13(水) 13:40
沖縄タイムス

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事