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アフターデジタルが進む中国から学ぶ、勝ち企業の「OMO思考」4つのポイント

5/14(木) 7:01配信

Web担当者Forum

デジタル化が進んだ現代では、業種・業態を問わず、モノからコトへの価値転換が迫られている。「中国では『OMO(Online Merges with Offline)』という考え方のもとデジタルを活用した優れたサービスが数多く生まれている」と言うのはビービットの宮坂祐氏。

「デジタルマーケターズサミット 2020 Winter」に登壇した同氏は、その例を紹介しつつ、日本企業のマーケターが「データ×顧客体験(UX)」の新しい競争原理とどのように向かい合うべきかのヒントを提示した。

 

「アフターデジタル」な世界とは?

ビービットの藤井保文氏と、IT批評家の尾原和啓氏の共著である『アフターデジタル』という本は、前経済産業大臣の世耕氏が絶賛したことでお馴染みだ。まず、彼らの言う「アフターデジタルな世界」とは、スマホが普及し切った世界のことだ。より正確には、「リアルな世界がデジタルな世界に包み込まれている状態」だ。

ここで、宮坂氏が出したクイズを考えてみてほしい。3時間150回。この数字は何の数字だろうか?





3時間150回という数字は、ある調査で平均的な日本人が1日にスマホを使っている時間と回数だ。おそらく6~7年前までは、携帯やパソコンでたまにインターネットのに触れ、すぐリアルに戻ってくるのが一般的だった。書籍『アフターデジタル』の中では、これをビフォアデジタルと呼んでいる。

しかし今では、常にスマホが身近にあり、講演を聞いている最中も多くの人がパソコンを開いてネットにつなぎ、講演者や内容について検索している。これが、リアルがデジタルに包み込まれた世界、つまりアフターデジタルだ。

・ビフォアデジタル=デジタルとリアルが一部重なり、行き来している
・アフターデジタル=リアルがデジタルの世界に包含されている

 

オフラインがない、中国の現状。Alipayでシームレスな映画鑑賞

書籍の中では、中国の事例が多く紹介されている。「日本ではアフターデジタルな世界に住んでいることを実感するのは難しいが、中国の都市部に行くとアフターデジタルな世界をまざまざと見せつけられる」と宮坂氏は言う。

まずスマホの普及率だが、日本の場合は86~87%と言われている。一方、中国の都市部は99%で、誰もがスマホを持っている。それを加速させたのが、QRコード決済だ。中国ではもう現金を持ち歩く人が少ない。財布を持っていることよりスマホとモバイルバッテリーを持っていることの方が重要な世界になっている。

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コンビニはもちろん、ボロボロの屋台もQRコード決済、裏路地の物乞いですらQRコードをかざす(宮坂氏)
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中国では2種類のQRコード決済が広く利用されている。アリババの「Alipay(アリペイ」とテンセントの「WeChatPay(ウィチャットペイ)」だ。多くの人が、その2種類をうまく使い分けているという。宮坂氏は、「決済アプリの本質は、支払いの便利さではなく、あらゆる生活サービスのゲートウェイになっていることだ」という。以下はAlipayのメニューで、WeChatPayでもほぼ同様だ。





たとえば、「Movies(ムービーズ)」というアイコンは、映画の予約ができるサービスだ。使い方は以下のように簡単だ。

・起動すると上映中の映画が人気順に並んでいるので、見たい映画をタップ
・スマホの位置情報から、近くの映画館の候補が出るので、行きやすい映画館をタップ
・選んだ映画の上映時間の一覧が出るので、見たい時間をタップ
・座席表が出てくるので席を選んでタップ
・アリペイでの支払いが済み、QRコードが発行される
・映画館でQRコードをかざして映画鑑賞

このように、映画の予約、支払いが非常にシームレスだ。日本でも映画のネット予約はできるが、いくつかある映画館それぞれのWebサイトを行ったり来たりして、見たい映画と上映時間を探し、席を予約してクレジットカード決済したら予約番号が発行されて、映画館に行ってから発券機で発券するなど、便利さでは劣る。

 

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最終更新:5/14(木) 7:01
Web担当者Forum

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