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開けても無駄/救済足りず/店疑われた… 疑心暗鬼から風評被害 伊勢崎の飲食店業界 苦境

5/14(木) 6:02配信

上毛新聞

 新型コロナウイルス感染拡大で外出自粛が長引き、苦境が続く飲食店業界。群馬県伊勢崎市では50代女性が経営する飲食店で感染が確認され、疑心暗鬼から風評被害が生じた。開業間もないために市の支援を得られず困窮する店もある。自粛に音を上げて通常営業の再開に踏み切る店が目立ち始めた一方、テークアウトや通信販売に活路を見いだす取り組みも広がりつつある。

◎通販に活路 営業再開も

 8日午後10時。金曜のこの時間帯なら普段はこうこうと明かりのともる同市の繁華街は、薄暗く、人通りはほとんどなかった。群馬県は5月末まで、飲食店に同8時までの短縮営業を要請している。「客が来ないから開けても無駄」と要請に応じる店が多い一方、経営への不安から8時以降も店を開ける通常営業に踏み切る店も出てきている。

 7日に通常営業を再開した男性経営者(42)は「家賃を猶予してもらえず、従業員の生活もある」と説明する。固定費だけでも月100万円近く。「行政の救済策だけでは全然足らず、深夜も営業せざるを得ない」と話した。

 同市では4月中旬、飲食店経営者と従業員の感染が確認された。店名が明らかにされなかったことで風評被害を受けた店も。スナックを営む40代の女性は「客が減って休業した直後だったためか、うちの店が疑われた。うわさになってしまい、対応が大変だった」とこぼす。約1カ月間休業し、通常営業を同日再開した。「できる限りの予防対策はしている」と、消毒用のジェルや加湿器などさまざまな除菌グッズを示した。

 昨年11月にレストランを開業した男性(39)は、市の支援対象から漏れたことに憤る。売り上げが減った事業者に10万円を支給する市の緊急支援助成金は、同9月以前から営業していることが要件のためだ。男性は「本当に困っているのは経営が安定せず、ローンも多い開店直後の店。もっと柔軟に対応してほしい」と語気を強める。こうした声に、市は「感染症の影響を受けた店が対象。それを証明するには、以前の実績との比較が必要となる」と理解を求める。

 テークアウトや通信販売を売り上げにつなげようとする店もある。創作料理すわ(同市田部井町)では、魚の西京漬けなどの詰め合わせが人気で全国から発注があるという。諏訪貴洋料理長(42)は「法事や宴会がなく、経営には大打撃。少しでも経営安定につなげたい」と力を込める。

最終更新:5/14(木) 6:02
上毛新聞

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