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「ダバダバダ…」誰もが耳にしたメロディの名作、50年後の物語。ステイホームを楽しむ映画

5/18(月) 20:10配信

なかまぁる

STAY HOME! 家ごもりの時間を何に使っていますか? なかまぁるからは、認知症に関する映画をご紹介。泣いたり笑ったり、ほわわんとしたり。映画に精通するライターが厳選した3本を、3回に渡って提案します。今回のテーマは「カップルの形について考える」です。
さて、飲み物の準備はOKですか?

【画像】「夫婦は“同士”」ロードムービーも紹介

vol.01 男女の“記憶”を巡る3つの物語

「ダバダバダ……」と囁くような声で始まる、きっと誰もが一度は耳にしたことがあるメロディ。フランスの恋愛映画の金字塔と言われる『男と女』(1966年)の約50年後を描いた『男と女 人生最良の日々』(6月DVD発売予定)を観ると、主人公二人のやり取りに心揺さぶられ、圧倒的な幸福感に包まれる。

『男と女』で描かれていたのは、妻を亡くしたレーシング・ドライバーのジャン=ルイと、スタントマンの夫を事故で失ったアンヌの出会い、そして別れ。その53年後、ジャン=ルイは認知症当事者として介護施設で暮らしていた。ある日、アンヌは「父親に会って欲しい」というジャン=ルイの息子からの依頼を受け、介護施設を訪れる。アンヌは自分の名を名乗ることなく、ジャン=ルイとたわいのない会話をし、穏やかな時間を過ごす。アンヌの髪をかきあげる仕草を見て、「ステキな仕草だ」と言うジャン=ルイ。目の前にいるのがかつて愛した人だとは分からなくても、アンヌの仕草や眼差しに惹きつけられ、目を輝かせる――。

私たちが大切な誰かを思い出すとき、真っ先に浮かぶのは、ふとした表情や声、そして自分に向けられた優しさだ。甘く切ないメロドラマでありながら、地に足の着いた物語として魅了されるのはそうした丁寧な描写が積み重ねられているからだろう。ジャン=ルイのユーモアのセンスも、車への愛情も昔と何ら変わらない。記憶が薄れても、二人で過ごした時間は確かに存在していた。そして“人生最良の日々”はこれから始まるのだというメッセージが清々しく、二人のいまを一緒に生きているような感覚になる。

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最終更新:5/19(火) 10:32
なかまぁる

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