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学習塾、夏期講習どうする 夏休み大幅短縮 

5/19(火) 11:54配信

産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校の長期化で、授業の遅れを取り戻すため、地域によっては夏休みが大幅に短縮されることになった。これに伴い、進学塾が夏期講習の計画を立てられず、不安を抱く受験生や保護者もいる。夏休みは受験の「天王山」とも呼ばれる大切な時期。塾側も日程の調整やカリキュラムの練り直しなど対応に追われている。

(藤井沙織)

■「早く決めて」

 「感染拡大防止で塾も長く休みになり、子供のモチベーションが下がってしまった。夏休みに取り戻したいのだけれど…」

 小学6年の長女(11)の中学受験を控える神戸市の会社員の女性(48)は、困り果てた様子でそう話す。通っていた塾は4月から休みになり、配信される授業動画での家庭学習に。「他の子供も同じ環境だが、うちだけ遅れていないかと不安になる。夏期講習の連絡もまだなく、志望校を変える必要もあるのではと考えてしまう」

 例年ならこの時期は進学塾の夏期講習の講師陣などが決まり、各家庭への案内や宣伝も始まっているが、新型コロナの影響でほとんどの進学塾が対応を決めかねている。多くの自治体が夏休みの短縮を検討しながらも、具体的な期間を決めていないためだ。

 関西や中国地方で教室を展開する日能研関西(本部・神戸市)の担当者は「今は各自治体の結論待ち」としたうえで、「受験生については、例年は夏期講習が休みのお盆などを活用して授業をするしかない。家庭でも頑張ってもらえる工夫をし、学力をつける方法を考えたい」と話す。

 関西を中心に教室を展開する浜学園(同・兵庫県西宮市)も、通塾圏内にある自治体の多くがお盆を中心に2週間程度の夏休みを設けると見込んで、夏期講習の日程や内容を検討中。例年授業は午後のみだが、今年は午前も実施することでカリキュラム消化を目指す。「単にカリキュラムを終えるだけでなく、予習用の授業動画を配信するなど学習内容を定着させる工夫もする」と担当者。ただ、想定より夏休みが短縮される事態となれば、再び計画を練り直さなければならないという。

 一方、受験生の在住地域が比較的限定される中学・高校受験と異なり、全国から受験生が集まる大学受験で懸念されるのが夏休み期間の地域格差だ。休校期間は地域の感染状況によって異なるため、緊急事態宣言が継続中の関西や首都圏よりも長い夏休みが予想される地域もある。

 大手予備校の河合塾(同・名古屋市)の担当者は「学校の授業があれば、夏期講習は夕方以降しか行えない。夏休みが長い地域も短い地域に合わせ、統一した対応をとる方向で検討中」としたうえで、「受験生の焦りは日々強まっている。子供たちの心の準備のためにも、早く夏休みの期間を確定させてほしい」と訴えている。

■家庭学習のポイント

 39県で緊急事態宣言が解除され、大阪などでも休業要請が段階的に解除されたのを受け、関西でも授業を再開させる進学塾も出てきたが、家庭学習の時間はまだ続きそうだ。

 家庭での学習のポイントについて、日能研関西の担当者は「時間がたっぷりあるからこそ、スケジュール管理が大切。授業動画で勉強したら、忘れないうちに復習を」と強調。浜学園の担当者は「家でテストをする際は塾と同じ厳密な制限時間と採点基準で、正確に早く解く訓練を。間違った問題はきっちりやり直して」とアドバイスする。

 また、数多くの受験本を執筆する教育評論家の和田秀樹氏は「時間がある今こそ、勉強の戦術を立てるチャンス。保護者は情報を集めて、子供に合った参考書や勉強法を探してほしい」と呼びかけている。

最終更新:5/19(火) 11:54
産経新聞

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